見つかってよかった. ページ23
. Aside
あっくんと久しぶりに会った
最後に会ったのは小4のときだから、もう7年ぐらい前になる
会うのはいつも沖縄だったから
まさかこんなに近くにいるとは思ってなくて、すごくビックリした
「……もしかして、頼まれたん？流星に」
「えっ？」
「俺のこと励ましてほしいって」
「っ……」
私が何も答えられないのを見て神山くんは、図星かという様に苦笑いをした
「そういうのってやっぱり、気づいちゃうよね……」
「ほんまに俺は大丈夫やねん、もう気にしてへんし。いらん気ぃ遣わせてもうたな」
「でも、あれはあまりにも酷かったもん」
「ふははっ、せやな。見事な修羅場やったわ」
神山くんはそう言って、他人事のように笑ってた
「おまたせしました、あっくん特製BLTサンドです」
「うわっ、うまそうやな」
「んふふっ、ごゆっくり」
私はデジカメを取り出し、料理をカメラに収めた
「スマホやなくて、デジカメなんや」
「一応、写真部だからね。……あっ、体育祭のとき、みんなの写真も撮るよ」
「競技には参加せんの？」
「うーん、リレーぐらいかな。なんか、写真部だと免除されるみたい。それに私運動苦手だし……」
「投げられたジュース受け取られへんもんな」
「もう、やめてよ。あれ、すごく恥ずかしかったんだから」
二人で思い出して笑った
あの時は、本当に恥ずかしかった
大爆笑してた重岡くんには少しイラっとしたけど、いちごミルクが美味しかったから許した
「なぁ譜久村さん、ここのお店の人たち知り合いなん？」
「うん。なっちゃんは、話しには聞いてたけど、会ったのは今日が初めてなの」
「ふーん、そうなんや」
神山くんは信頼できるから、話してみようかな
「聞いてくれる？昔話だけど」
「おん、ええよ？」
神山くんは姿勢を少し正して、私の目を真っ直ぐ見つめた
「お父さんの話によると、私が生まれてすぐにおばあちゃんが亡くなったみたい。
おばあちゃんが大好きだったおじいちゃんは、ショックで憔悴しきってたって。
そんな中、おばあちゃんの荷物を片付けてるときに、お父さんが手紙を見つけたの。
それは、おじいちゃんへ宛てた手紙だった。
何枚にも渡って、家族や親戚への愛がしたためてあった」
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作者名：楓 | 作成日時：2023年8月18日 14時
