何だか別人みたい. ページ20
. Aside
藤井くんの言ってたカフェは、駅前にあるみたい
神山くんがバイトしてる場所から近いらしくて、駅前に集合することになった
集合時間よりも少し早く着いたから、駅前の広場のベンチに座って待つことにした
成り行きで神山くんと連絡先を交換したけど、よくよく考えたら同級生の男子で初めてかも
メッセージの文面は丁寧で、伝え方もすごく優しかった
神山くんは甘いものが相当好きみたいで、今日を楽しみにしてたらしい
私も、お店のホームページで見たスイーツが美味しそうで、すごく楽しみ
ふと時間を確認すると、集合時間になっていた
神山くん来てるかな？
立ち上がって、辺りを見渡してみた
目立つ格好で行くって言ってたけど……
「あ、の人……かな？」
その人は手を振りながら、小走りでこちらに近づいてきた
普段の神山くんからは想像できない柄物の服や、小物を身に付けてたからびっくりした
奇抜なのにまとまりがあって、すごくオシャレな人だなと思った
それに比べて私は、ロングのTシャツにジーパンという、オシャレさ皆無な格好
これから一緒にカフェに行くのが、なんだか申し訳ない……
それにしてもその柄の服とか小物とか、どこで見つけたんだろう……
「ごめん、待たせた？」
「ううん、今来たとこだよ」
「……ほんま？」
「……実は、ちょっと早く来すぎちゃって」
こちらの様子を伺うように、上目遣いでそう言われたらネタばらしするしかなかった
「ごめんな、遅れてもうて」
「そんな……２分ぐらいだよ？」
「２分でも、遅刻は遅刻やから」
神山くんって、こういうとこ真面目だよね
律儀でしっかりしてる
「神山くん、お仕事お疲れ様」
「お……おう、ほな、行こか。……俺さ、バイト終わりでご飯食べてへんから、腹が減ってしゃあないねん」
藤井くんが送ってくれた地図を頼りに、二人でお店に向かって歩きだした
んだけど……
「これ、ほんまに店の地図か？」
「どういうこと？」
神山くんは、地図を見せてくれた
道の形も違えば、店舗の名前も違う
もしかしてこの地図……
「これ、駅裏の地図やんな？」
「そうみたいだね……」
「もう、ほんま流星何なん？」
駅前と駅裏を間違えるなんて
……彼はやっぱり、天然なのかもしれない
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：楓 | 作成日時：2023年8月18日 14時
