イレブンで買うた. ページ19
. 智洋side
今日も例に漏れず、屋上前で昼ごはん
夜更かししてもうて朝起きられへんかったから、コンビニのご飯にしてん
まぁ、たまにはええよな
なんか今日は、周りの視線が痛かった気ぃする
そらそうか、昨日あんなことあったしな
放課後やったから人は少なかったんやけど、話が広まるのは一瞬やもんな
“好きな人に利用されてるのに気づかへんかった、可哀想なやつ”
そう言われて、後ろ指さされてんねやろな
でも、そんなすぐに同級生の女子の苗字さんを嫌いになられへん
今ごろ同級生の女子の苗字さんは、クラスで肩身の狭い思いしてるんかな
いじめられてへんやろか
そばに居ってくれる友達とか、おるんかな……
俺のことは別にええねん
ただ……
俺が許せへんかったのは、中途半端に好きになって流星を傷つけたこと
流星に腕を掴まれたあの時
その強さから、怒りや悲しさが伝わってきた気ぃする
いろんな思いをしてきた流星には、幸せになってほしいねん
流星は、しげと譜久村さんと楽しそうに話してる
この日常、守りたいな……
せや、デザートも買うてん
……やって、期間限定のやつやってんもん
しゃあないやんか……
って俺は誰に何の、言い訳してんねやろ
「神ちゃん土曜日空いてる？」
「へっ？」
流星に急に話を振られて、変な声が出てもうた
「せやから土曜日。譜久村さん、カフェにスイーツ食べに行きたいんやって」
「バイトが午前中やから、午後からなら空いてるけど」
「俺としげは甘いものそこまでやないから、神ちゃんどうかなって」
「ええよ。俺甘いもの好きやし」
「ありがとう、神山くん」
どんなスイーツなんやろ
ってか、何時にどこ集合？
細かい話するためにも、連絡先交換した方がええよな
「譜久村さん、連絡先交換せえへん？細かい話したいし」
「うん、分かった」
譜久村さんはスマホを出し、操作し始めた
「譜久村さん、赤色好きなん？」
「えっ？」
「スマホカバー赤やから、好きなんかなって」
「あぁ……うん、まぁね」
「なぁ、譜久村さん。俺にも教えてや」
お互いに連絡先を交換してると、しげがスマホを持って近づいてきた
「うーん、重岡くんはヤダ」
「おい、なんでやねん！」
しげには可哀想やけど、ちょっとした優越感やな
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作者名：楓 | 作成日時：2023年8月18日 14時
