つれのような関係. ページ11
. 流星side
神ちゃんは譜久村さんに遅れて教室に入ってきて、俺に洗った制服を渡してくれた
俺はそれを受け取り、椅子の背もたれにかけた
「神ちゃん、ありがとう」
「かまへんで、帰る頃には乾くやろ」
神ちゃんはほんまに優しい
つい甘えちゃうんよな……
ってか長男やし、自分ではしっかりしてるつもりやねんけど、みんなからは何故か天然ってよう言われんねん
勘違いしたり、言い間違えたり
忘れたり、溢したりすることが天然って言うんかな
そんなこと、誰にだってあるやろ
ってかさっきあぶなっ
しげが投げたジュースを譜久村さんが受け取られへんくて、あたふたしてるとこが可愛くてボーッと見てたら
譜久村さんに“えっ、何?”って聞かれてもうて……
ただでさえ、いきなり手を引いて教室から連れ出してもうたし
チャラいやつとか思われるのは嫌やったし
“可愛い”なんて言うたら、しげに確実にいじられるから
とっさに考えて出た言葉が、“ハンカチ、持ってんねや”やった
しげのツッコミと、神ちゃんのフォローに助けられたな
手持ち無沙汰で、持っていたジュースを飲んでてふと思った
……あれ?待って、今俺バカにされてた?
通常運転って……
“”いや……神ちゃんそれ、フォローになってないで”って言おうとしたら
ジュースを口に含んでるの忘れて、口を開いてもうたんや
「えー、ここの和訳を……せや、さっき廊下走った罰や。重岡分かるか?」
「はぁ?」
「先生に向かって、はぁ?ちゃうねん」
「俺日本人やから、英語分からへん」
「何アホなこと言うてんねん。せやから俺が教えたってんねやろ」
「そんなん、淳太が言うたらいいやん」
「俺が言うたら意味ないやんけ。理解できてるかの確認をしてんねやんか、もう」
ほんま、相変わらずやな
しげは中間先生にだけ、あぁやっていつもつっかかんねん
中間先生はめんどくさそうやけど、案外満更でもない感じ
なんだかんだ、お似合いなんちゃう?
ふと譜久村さんを見ると、口元を手で覆って笑うてた
さっき教室に戻ってきたとき、少し顔が暗かった気ぃしたんよな
神ちゃんと何かあったんかな
まぁ、俺が気にしてもしゃあないか
俺は黒板の文字をノートに写した
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作者名:楓 | 作成日時:2023年8月18日 14時