本丸7 ページ8
『こんのすけぇ』
【はい、審神者】
審神者の部屋。
そこでボソリとAが呟く。するとどこからかドロンと煙共に現れた管狐ことこんのすけ
『見習い、どんな人?』
【…霊力豊富、優遇家庭、お嬢様。育ちは良いですね】
『乗っ取られる可能性』
【大いにあります。いくら貴方とて】
『ううん…それは、やだなぁ』
顎に手を乗せながら困ったような顔で言うA
寂しそうに、悲しそうに
『愛してくれてるとは思う。愛してる自信はある…でも、それでも…』
乗っ取られた本丸は数知れない。
それはどんなに評判の良かった本丸でも、どんなに長い時を刀剣達に費やした審神者でも
『決めるは刀剣達次第…か』
【…審神者、見習いが何故乗っ取りをできるかご存知ですか?何年をも時を共に過ごした審神者より数日足らずの付き合いの見習いをとるのか】
『審神者より顔が可愛いから?』
【顔で選ぶわけないでしょう、かの三条三日月宗近、五条鶴丸国永などの筆頭、美しいと言われる刀剣たちの前で人の美しさなどゴミ同然。
では何故か】
こんのすけはピンっと前足を伸ばし、審神者に向けた
【政府です】
『政府…?』
【はい、政府は、見習いが刀剣達に殺されないよう、見習いの霊力にそういう類の霊力を上乗せします。刀剣達からみた審神者以外の人間はどうでもいい存在ですから。】
『ふーん、でもそれだけ?』
いやいや、と首を横に降るこんのすけ
このこんのすけ、顔はいい(by審神者)
【審神者と刀剣男士たちの関係の薄れです。】
『は?』
【見習いが送られるのは熟練の審神者のところのみ。ですがそういう審神者の元こそ刀剣男士と審神者の関係は薄れるのです
長い時を過ごせば過ごすほど、交わす言葉は減ります。最初に己でも引くほど執着していたおもちゃでも、人の子は時が経つにつれ飽きを覚える。それと同じ
審神者自身、そう思ってなくとも刀剣達にはわかってしまう。】
『……』
交わす言葉の減り
身に覚えがある。嫌という程構い倒した刀剣達。でも最近そこまであるだろうか
最初の方、出陣の際必ずもたせたお守り。必ず帰って来てと、門の前でしつこく心配しまくった
それが今は、見送りこそあれど『いってらっしゃい、気をつけて』、その程度しか交わさない
【そこに刀剣達に好かれやすい霊力を持った見習い、はじめてだからこそ大切にしすぎる見習いの態度
刀剣達がどちらにつくかは、概ね想像できるでしょう】
つーと冷や汗が背をぬらした
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作者名:あーさん | 作成日時:2017年8月5日 16時