【刀剣乱舞】結末を知っていたのなら。 (ページ17)

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本丸16 ページ17

『これとそれ、あとあれとって』
「おいおい待ってくれ、こんなに買うんなら細腕の俺はあまりに不適任じゃないかい？」
『当たり前でしょ？元々山姥切と太郎太刀について来てもらおうと思ってたのよ？』
「嘘だろ君、嘘だろ、その二振りの頼むのを俺一振りに…」
『はい！お会計して次は酒屋！』
「嘘だろぉ…」

チャリンと、毎度ありぃと響いた店から出た二人、厳密には一人と一振りの表情はまさに対そのものだった

今にも踊り出しそうな、軽やかなステップで歩く女はとても楽しそうな表情をしているのに対し、両手両腕両肩に多大な荷物を抱える男の顔は憂鬱そうだ

『反省したぁ？』
「したよ！三日月をからかうのはちょっと自重するから！するからちょっと持ってくれ！君に酒は重いだろう！？酒は持つから両手だけ開けてくれ！」
『あら、意外と優しいのね。ふふ、でも言いましたね！自重するって！神に二言はなくてよ！？』
「おいおい、また誰の影響を受けたその口調」
『テレビ！』

自重する。その言葉を、またはその類の言葉を待ってましたと言わんばかりの顔で着物の袖に手を突っ込み、取り出したものを空中に優しくだが高く投げ上げくるくると回す

そして手をパンと打った

「短刀…？いや、脇差か？」
『いや…』
「違いますよぅ」

眩く光を放ったその刀は、人の身に顕現し、桜を撒き散らし地面に静かに降り立った

「これなるは珍しき粟田口派の打刀…

号を鳴狐と申します」
「鳴狐！」
「驚いた？」

目をパチクリと開いた鶴丸を見て嬉しそうに、楽しそうに、でも静かに小さく笑う鳴狐

鳴狐はにこっと笑うと鶴丸の手から持てる分の荷物を受け取った

「ありがとな鳴狐」
「私も持ちますよぅ！」
「おっありがとな狐。じゃ、これを頼むぜ」

比較的軽く小さめの袋を首にかけてやり、ポンと頭を叩いた

『感謝するんだぞ』
「はいはい、慈悲深い審神者様」
『私も持つよ』
「そりゃどーも」

次に行った酒屋には太郎太刀が団子を食べながら待っていた