参 ページ4
「人喰い鬼サ。夜になると動き出す。稀血と遡行者は奴らにとっちゃァ最高の飯だ。」
「たべ、られるのか、私は、」
絞り出した声は霞み、震えていて、なんと情けないことかと自分で思うほどに弱々しかった。
「あァ喰われちまう。ただ、」
_____お前が立ち向かおうとしなかったら、だ。
挑戦的な目を向けられて、ぶわりと鳥肌が立つのを感じた。
身体の奥底から湧き上がる高揚感。
先程までの恐怖を打ち消してしまうほどの興奮が全身に迸る。
「鬼に立ち向かうには、どうすればいい」
「簡単簡単、鬼殺の隊士に成ればいいのサ」
狐のようににんまりと笑いながら、アーラ簡単!と身を揺らしている。
「藤子、私を鬼殺の剣士にしてくれ」
「あァいいとも。ま、私が教えられるのは基礎だけだがねェ」
時間を遡行し、若き曾祖母に出会ったその日から
私の奇譚は始まっていた。
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心(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年8月16日 15時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:哀色 | 作成日時:2019年7月29日 12時