【募集企画】神々の住む世界・弐【小説】

ありがとう・笠原風紀side ページ1

_______何ヘラヘラしてんだよ

_______気持ち悪い

_______あんたなんて

居なければ良かったのに！！


「っは！！」
息苦しくて目が覚めた
いつの間にか寝てしまった様だ
…嫌な夢だったな

呼吸を整えてから、いつも通り彼女のところに向かう
彼女とは、僕の会社の同僚のふーくんの妹、風香ちゃんことふーちゃんの事
割りと長い間、付き合っている

＜風紀さん！＞
あの子は僕が来てくれるのが嬉しいと言ってくれた
笑顔で出迎えてくれる、いい子だ

さっきの夢を思いだして、頭がズキン、ズキンと脈打つ様に痛む

独りは嫌いだ…

大人になってこんなことを思うのは可笑しいかも知れないけれど、独りでいると、狂いそうになるんだ

でもどうしても皆は大好きだから頬が緩んじゃう

あーあー変なことは考えない！

僕はそこで深く考えるのを止めた
僕はふーちゃんに会える喜びでヘラっと笑った顔を直すことなく設楽家に突入した

そこから聞こえてきたのは、紛れもないふーちゃんの声だった

「風紀さん、」

悲しそうに目を伏せるふーちゃん
君のそんな顔は見たくないよ…
ほら、笑って

「…呼んだ？」

一気に笑顔になる僕の大切な人
それだけで、僕の心は満たされる



こんな僕を必要としてくれてありがとう
君と出会えて、本当に良かった


楽しい時間は過ぎていった

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