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春を借りに・霜村真白side ページ10

「これ程の量があれば充分ですね」

 銀世界に聳え立つ蔵の入口。
 雪ノ国ならではの選りすぐりの酒を集め切った彼女__霜村真白は、誰に言うでもなく呟いた。

 今日は千秋楽のお花見。
 春の訪れを喜び、冬を終わりを偲んで宴を開く、年に一度の大切な日だ。
 神々はその言葉に心を踊らせ、心待ちにしていると言う。

「ハァ……」

 しかし、彼女は憂鬱な気分を隠す事ができなかった。

 いくら他の国に春が来たからと言っても、彼女の所属する雪ノ国に春が来る事はあり得ない。
 自分の国に戻れば、そこはいつ見ても変わらない冬景色なのだ。

 お花見に参加すれば、彼女は春を感じる事ができる。
 しかし、それはあくまで樹ノ国の春を借りているだけなのだ。

「春が嫌いな訳ではありません。寧ろ私は春が好きです。ですが__」

 __永遠に手に入らないものに憧れた所で、何になると言うのでしょうか。

 黒い狼の姿が頭をよぎる。

 傍らに立つ白鹿が、そんな彼女を慰めるように、そっと藍色の羽織に顔を擦り寄せた。

「さて……もう行かなくてはなりませんね」

 彼女は白鹿の背中に跨がり、手土産の酒を持って、樹ノ国の桜の丘へと白鹿を走らせた。

暇な時間は?・明石黒雨side→←遅れる〜!!!・水谷衣瑠華side



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阿須波(プロフ) - 湯豆腐さん» 大丈夫です! 宜しくお願いします! (2016年7月18日 6時) (レス) id: 143565f9b4 (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐(プロフ) - 更新したいですが、大丈夫ですか? (2016年7月18日 6時) (レス) id: 156a8bc8e2 (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - チカさん» ありがとうございました! これからも宜しくお願い致します! (2016年7月17日 20時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
チカ(プロフ) - 更新終わりました! (2016年7月17日 20時) (レス) id: b0a8b8ef26 (このIDを非表示/違反報告)
チカ(プロフ) - 更新します! (2016年7月17日 18時) (レス) id: b0a8b8ef26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青狸 x他4人 | 作者ホームページ:p://  
作成日時:2016年5月19日 20時

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