【募集企画】神々の住む世界・お花見編【小説】

未完成イタズラ大作戦・空咲小鳥side ページ8

「……よーし…………今日こそ、全員の神様にイタズラを仕掛けるぞ……」

そーっと樹の国の会場に潜り込む。

最初に見つけたのは、毎度毎度引っ掛かってくれる紡ちゃん。

「……よし。
紡ちゃんには悪いけど、イタズラの実験台になってもらおっと」

僕は、春にちなんだイタズラに使えそうな道具を探す。
で、見つけたのは。

「冬眠を明けた動物……虫あたりがいいかなー。
………じゃあ」

僕は、そこにいた毛虫を捕まえ、紡ちゃんににじりよった。

そして、うなじに毛虫を入れる。

「わっ、え!?
きゃああっ!」

紡ちゃんは大騒ぎをする。

その時、耳に音が刺さった。

どうやら、紡ちゃんが驚いて無意識に力を使ったらしい。

「こっ、小鳥君!?
小鳥君でしょ!やめてよ!」

紡ちゃんがぎっと睨んでくる。

「え、ばれた!?
人を疑わない紡ちゃんにばれた!」

その時。

とん、と肩に手を置かれる。

「ねえ、小鳥くん?」

………この声は。

「あはは……もうばれちゃったー…。
……いいじゃん夜空さん、今日くらいさ!」

紡ちゃんとは逆に、毎度毎度僕のイタズラを見破る夜空さんが、怖い笑顔で見ていた。

そしてそのまま、僕は紡ちゃんも含め二人に説教されました。

結局、イタズラ作戦は失敗したのだった。

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