夜桜の宴、プロローグ・泥人 ページ22
祭りは
月が高く昇るにつれ月光は黄金を増して行く
金の光の中を舞うは天界一の八重桜
ひらりひらりと溢れる小さき桃色の花弁の美しさよ
舞え踊れ
今宵は至高の花宴
酔いて笑いて咲き誇れ
その桜の散る日まで
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宴もたけなわ。夜になっても花見の熱気は下がらない。むしろ上がっているだろう。
ようやく甘露の仕事が終わり、花見へと向かう。
桜の下には火が灯され、幻想的な風景を描き出している。
桜は明るいときに見るのもいいが、夜の暗い中で見るのも、ガラリと印象が変わりとても良い。
自分はどちらかというと、そんな普段の桜とは一味違う夜桜の方が好きだ。
それに、友と祭りを楽しむことができるからでもある。
今のようにな。
泥人「さて、次はどこを見る?あと半分ほど見ていないところがあるが。」
甘露「別に…」
泥人「ふむ…なら、この店に行ってみないか?どうやら最近噂になってきている、新しいアイスクリーム屋だそうだ。君が以前から、気になっていた店だろう?」
甘露「…何処にある?」
泥人「こっちだ。」
隣を歩く友とは長い付き合いでこんなやり取りも毎年のように続けてきた。
友はお菓子の神で社長で職人だ。故にというか、噂のお菓子屋だとかおいしいと評判のお菓子の店などと聞くと行って見ずにはいられないタチなのだ。
だから俺達の花見は花を愛でるというよりも、お菓子を食べる、つまるところ花より団子なのだ。
だが、それで別に良いのだ。
大切な友神と一緒に見て回ることがとても楽しいから。
楽しみ方は神それぞれなのだから。
泥人「着いたぞ、ここが噂のアイスクリーム屋だそうだ。」
甘露「行くぞ。」
泥人「…あぁ。」
流石、噂となっている店であって並ぶ神は多い。しかしどうやら回転が速いようで、30分も待てば買うことができた。
甘露「なるほど…一つ一つの動きに無駄がない。いいテンポだ。
種類も30弱くらい。なかなか多い。味も良し舌触りもよしだ。
………。」
確かに美味いが、自分の店の方が美味いな。
きっと友はそう考えている。
俺もそれに同意だ。天界で、お菓子の腕でこの友に勝てる者はいないと思う。
それほど友のお菓子の腕は素晴らしいのだ。
泥人「うむ。
甘露「っ!そうか…」
どうやら意味がわかったようで、少し顔が赤くなっている。
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阿須波(プロフ) - 湯豆腐さん» 大丈夫です! 宜しくお願いします! (2016年7月18日 6時) (レス) id: 143565f9b4 (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐(プロフ) - 更新したいですが、大丈夫ですか? (2016年7月18日 6時) (レス) id: 156a8bc8e2 (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - チカさん» ありがとうございました! これからも宜しくお願い致します! (2016年7月17日 20時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
チカ(プロフ) - 更新終わりました! (2016年7月17日 20時) (レス) id: b0a8b8ef26 (このIDを非表示/違反報告)
チカ(プロフ) - 更新します! (2016年7月17日 18時) (レス) id: b0a8b8ef26 (このIDを非表示/違反報告)
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