【募集企画】神々の住む世界・壱【小説】

可愛らしい者　逆火部菜月side ページ44

…アタシって、そんなに見た目が悪いのだろうか。


　初対面のひとたちには毎回嫌われる。”男たらしよ、気色が悪い”とか。”あーいう女は性格悪いのよ、近づくな”って。主に女性に。まぁ慣れたけどね。
　なんとなく、そんなことを思い出して。別に何があったって言うわけではないんだけど。

「…菜月さん。 なに考え事してるんですか」

「んっ！？ あ、あぁーこうくん、ごめんね。」

「これから飲みに行くんでしょう？」

「うん！ お店の酒全部空けるからね！！」

「僕、そこまでお酒強くないんですが」

　”大丈夫！アタシと一緒で怖いことなんてないわよッ！”と意気揚々と語れば、”怖いことしかありません…”とひきつった笑みで答えたこうくん。愛らしいな。

「菜月さん！煌菊さん！」

　聞き覚えのある可愛らしい声。この声は、我が火ノ国の国長、焔ちゃんだ。

「焔ちゃん！」

「焔様」

「焔ちゃん、一体どしたの？」

「いえ、見かけたので！」

　見かけたからってここまで来てくれたのか。可愛らしすぎる。もふもふしたい。抱きたい。もうホント…。

「妹になってください」

「菜月さん、阿呆ですか」

「こうくんひどいっ！」

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