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____バチバチ
「おらあ!!」
光は家宝である雷霆杖を使い、戦い始めた。
私は武器になりそうなものもないので先輩を守ることを徹底した。
雷霆杖から稲妻が走る。
____ぽっ
____シュウゥゥゥ
「「『………』」」
さっきの期待はどこへやら。
雷は可愛い音を立てぱっと消えてしまった。
そして、雷霆杖に貼られた"封"の文字。
「花子の野郎ォォ!!」
『倒さないと…貸してっ!!』
私は強引に光の持っていた雷霆杖を奪い取った。
『うおぉっ!!』
左から右へと雷霆杖を振りかざす。
____バラララ
でかい怪異は切り落とされ、バラバラになった。
「よ、良かった…」
「すげーぜA!!」
『はぁ…疲れたぁ。』
どうなるかと思ったよ…
「っAちゃん!!」
「A後ろ!!!」
『……………え』
後ろを振り返ってすぐ、私は蝶に包まれた。
倒しきれてなかったみたい…。
「Aぁぁ!!!」
「Aちゃんっっ!!!」
2人の声が聞こえる。
最後に見たのは手を必死に伸ばしている光だった。
これ…やばいやつだ。
「ほーんとヤシロといいマナベといい…なーんでそんなに怪異に引っかかるのかなぁ?」
『っ!花子…さん…っ』
徐々に体が締め付けられ、息が詰まる。
苦…しい……
_____ズバッ
「ハーァイ、おふたりさん。マナベ。」
目を開けると下にはたくさんの蝶。
私はそこに座っていた。
「Aちゃん、大丈夫?!」
「大丈夫か!?」
『先輩…光…』
心配そうに顔を覗く2人。
もっと注意しておけばよかったな…。
2人にも心配かけちゃったし、花子さんの仕事も増やしちゃった。
『ごめんなさい、私…。』
「なんで謝るのぉっ!」
『え……!?』
俯いてた私を抱きしめてくれたのは八尋先輩だった。
驚いて顔を上げるとそこには目を濡らした先輩がいた。
『え、あ、ごめんなさい…』
「マナベ、俺たちにメーワクかけないようにって思ってるでしょ?」
『い、え……』
だって…みんなは友達で……心を開いてるはず、なのに…
「Aちゃん、私たちのこと頼って?私だけだと頼りないかもしれないけど…」
「そうだぞA!Aの悩みを俺たちで解決してやる!」
「これからどうする?」
『………頼りたい…大切な友達を!』
優しい笑顔に目が濡れる。
私は1歩、なにかに向かって足を踏み出せたのかもしれない。
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ななサマ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございますゥ! (9月10日 22時) (レス) id: a5c87dadb9 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - めちゃめちゃ面白いです!これからも更新頑張ってください! (9月10日 19時) (レス) @page12 id: 707eeda184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななサマ | 作成日時:2023年8月25日 17時