>>43 ページ43
「葵…私に隠し事してるの?悲しい…」
「ねねちゃん…?」
花子さんは赤根先輩の頬をつうっとなぞる。
でも見た目は花子さんではなく八尋先輩…。
「Aちゃん、光くん、早く…え、2人とも!?」
「す、すいません…//」
『八尋先輩の誘惑…///』
刺激が強すぎる…!//
「どうしても教えてくれないなら…いっそ…その口塞いじゃおうかしら♥」
花子さんはさらに赤根先輩の顎を上に向け、接吻の体勢に入る。
「ウワアアァァ!!」
……あ、この人の事、忘れてた…。
蒼井先輩が雄叫びを上げ、赤根先輩から八尋先輩を剥がした。
「ウワアアァァ!!」
そしてまた雄叫びを上げ、八尋先輩(花子さん入り)を引きずり、どこかに走り去った…。
『「先輩ーー!!!」』
「花子くんーー!」
追いかけましょう!と光が走り出す。
私は花子さんというよりは八尋先輩の身体が心配だった。
「この体でも全力疾走すると疲れるのね…」
『大丈夫ですか?』
「あ、ヤシロやほー」
私たちは蒼井先輩を追いかけ、屋上まで来ていた。
八尋先輩の身体の中に入っている花子さんは呑気に手を振る。
『花子さん、早く先輩に身体返してください。』
「その前にこれどーしたらいい?」
「これ?」
「これ。」
花子さんはブツブツ何かを唱えている蒼井先輩を指さした。
「えーと…誰?」
「こ…これは…」
それから八尋先輩のわかりやすい説明があった。
「蒼井茜くん。私のクラスメイトで葵の幼なじみなの。普段は真面目で誰にでも分け隔てなくて親切ないい子なのよ。クラスのみんなからも頼りにされてるし…だけど〜…ね、Aちゃん?」
『あ、私に振るんですね。私は学級、学年委員長していて、その委員会で蒼井先輩にはお世話になってます。蒼井先輩は小さい頃から赤根先輩がずーーっと好きで、赤根先輩のことになると性格が豹変するんです。私はずっと蒼井先輩から赤根先輩の惚気話を聞かされてます。』
葵と付き合ってもないのに…と八尋先輩から哀れみの目を向けられた。
本当そうだよね…
「あぁ…俺も兄ちゃんから聞いたことあります。兄ちゃん生徒会長なんで…あの人副会長ですよね。確か___
幼なじみの言動によって自らを作り変えては告白して振られ、告白しては振られて通算0勝3624敗とか…」
「それ1日何回告白してるの?」
みんな詳しーねーと花子さんは言う。
詳しくなりたくて詳しい訳じゃないんだけどね…?
21人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななサマ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございますゥ! (9月10日 22時) (レス) id: a5c87dadb9 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - めちゃめちゃ面白いです!これからも更新頑張ってください! (9月10日 19時) (レス) @page12 id: 707eeda184 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ななサマ | 作成日時:2023年8月25日 17時