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>>39 ページ39

目の前にあるでけぇ画面。

隣にはA。


俺は今、Aと2人で映画を見に来ていた。

映画はまだまだ始まったばっかり。

でも…


Aのことが気になりすぎて全然集中できねぇ!!

普段の制服姿とは違うAの姿に胸がギュッとなる。

かわいいなぁ…

俺は心からそう思った。

呆れる顔も、怒る顔も、笑う顔も…

全てが可愛く輝いて見える。



そして映画館の席が近ぇ。

こんなもんか?

ほんとすぐ近くにAがいる。

緊張で手汗がダラダラ。

俺は無心になろうとポップコーンを口に詰め込んだ。

口の中に甘いキャラメルが広がった。





「うぅっ、いい映画だった!!」


『うん、感動したね。でも一旦落ち着こうか。』


映画が終わり、館内を出た。

映画が意外と感動系だった。

そして光が感動してわんわん泣いてる。


「映画よがっだ…ぐずっ」


『うん、良かったね。』


光をなだめて落ち着かせる。

ほんと、弟みたいだ…笑


『泣かないでよ光。』


「もう大丈夫だ…ズズっ」


光の目と鼻は赤みを帯びている。

目がまだ涙で潤んで、顔が赤くなっているせいかとても可愛く見える。


そして私は思った。

可愛いくてかっこいい。

そんなのズルくない?

好きになって当たり前だよね。


「A!飯食いに行こーぜ!」


私の考えも知らずに、光は楽しそうに話す。


『さっきまでぐしゃぐしゃに泣いてた癖に…』


「う、うるせぇよ!」


私はこの感情を一旦抑え、光の横を歩いた。

ヤコさんの言葉で、自分に素直に生きてみようと思った。

ちょっとキツいけど優しい言葉に私は救われた。

私は素敵な人たちに恵まれているんだな。

ヤコさんや八尋先輩、花子さん、源先輩、蒼井先輩、そして光の顔が浮かんでくる。


『光、今日は誘ってくれてありがとう!』


「おぉ!また行こうぜ!」


『うん。約束ね?』


私は光に小指を差し出した。

光は自分の小指を私の小指に絡めた。


『ふふっ、約束よ。』


「あぁ、絶対。」


私は今の幸せを忘れないように噛み締めた。


『じゃあ帰ろうか。』


「おぉ。」


私たちは映画館を後にし、駅に向かった。

ずっとこんな幸せが続くといいなぁ。

でも、私が気持ちを伝えたら…

"また"なんて存在しなくなってしまうかもしれない。

頭がマイナスな思考で埋め尽くされていく。



『…ご飯食べるぞー!』


「おー!」


私は不安を無くすために叫んでみた。

光に急にうるせぇな。と言われちゃったけどね。

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ななサマ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございますゥ! (9月10日 22時) (レス) id: a5c87dadb9 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - めちゃめちゃ面白いです!これからも更新頑張ってください! (9月10日 19時) (レス) @page12 id: 707eeda184 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななサマ | 作成日時:2023年8月25日 17時

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