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「俺なんかどうだ!?最高の被写体になってやるぜ!」
自分の顔を指さす光。
「……あぁ、間に合ってます…。僕結構写真にはこだわりがあってさ…」
『ガチ拒否じゃん…』
また喧嘩を始めそうな光と三葉。
はぁ…仲良くしてほしいんだけど。
「あ、Aちゃん!大丈夫だった?」
部活中らしい横尾くんが心配してきてくれた。
『あ、横尾くん。見ての通り。』
「そのカメラ…もしかして三葉くんの?」
『…そうだよ。』
横尾くんは三葉のこと知ってるんだ…
「…知ってんの?」
「うん。1年の時__」
「集合!!」
部長らしき人がグラウンドで叫んでいる。
『いいよ、私が教えるから。行ってきな。』
「ごめん!じゃあね〜」
___パシャ
三葉のカメラのシャッター音がやけに響く。
『………三葉はね、今年の冬。交通事故で死んだの。』
「………え」
『あれ、でも光は同じクラスじゃなかったっけ?』
「えっ!?そっ、そうなのか!?」
光は目を見開き三葉を見つめた。
「ミツバ…三葉…?」
光は何かを思い出したみたい。
「小学校でいじめられたから、中学じゃ上手くやろうと思ったんだけど…でもできたのは"存在感のイマイチ薄い地味な奴"。いじめられはしなかったけどね。友達も出来なかった。」
私と光は顔を見合わせた。
『………生意気。』
「女顔、口が悪い。」
『わがまま、カメラオタク。』
「声がうるせぇ、たまに暗ぇ。」
『あと猫かぶり。』
「なんだよっ!」
三葉が声を荒らげる。
『私の知ってる"三葉惣助"のこと。』
「悪かったな気がついてやれなくて。雰囲気変わりすぎだわ。無理しなくても良かったんじゃねぇの?そのまんまで。」
「今更遅いよ…」
三葉の肩は震えていた。
『それと、私のこと三葉は友達とは思ってなかったんだね…。』
「う、それはごめん…。」
『……ふふっ、いいよ。でもこれからは私と光のこと、人に言う時は友達って紹介してよね。』
「っ、で、でも僕は死んでるんだよ?」
「死んでたって友達んなったっていいんじゃねぇの」
背中を向けた光は耳まで赤くなっていた。
『光ぅ、今日はなんか素直だね?』
「うっせぇな!!//」
光は三葉のために言ってくれたんだね。
___………カシャッ
「『?』」
「何撮ったんだ?」
『空?』
「…さぁ?僕にとっての価値のあるもの…かな?」
三葉は昔と変わらない可愛い笑顔で笑っていた。
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ななサマ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございますゥ! (9月10日 22時) (レス) id: a5c87dadb9 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - めちゃめちゃ面白いです!これからも更新頑張ってください! (9月10日 19時) (レス) @page12 id: 707eeda184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななサマ | 作成日時:2023年8月25日 17時