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『みつ…ばぁ……!!』
「…Aちゃん。」
三葉が目の前にいる。
触れる。
喋れる。
見える。
全てが嬉しかった。
私は三葉を離さないよう抱きついた。
そして声がかれるほど泣いた。
「………大丈夫?」
『ごめん、取り乱した……。』
10分後。
私は泣きやみ涙を拭いた。
「お前ら知り合いだったのか?」
『うん…詳しくは後で話すよ。』
耳元でコソッと聞いてきた光に小さくつぶやく。
「ねぇAちゃん!僕の未練晴らす手伝いしてくれない?」
『未練…?』
三葉の未練って?
「こいつ、写真が未練なんだとよ。生前を知ってるAがいた方がいいかもしれねぇな。」
「いいかなAちゃん…?」
『…うん、いいよ。行こう!』
私たちは校舎を出た。
泣き腫れた目に当たる風が気持ちいい。
私と光はルンルンの三葉について行った。
「ミツバ、おいミツバ」
「んー?」
「痛ってぇ!!」
『光、そんな大きな声出さないで!また鳥が暴れだしたじゃない!』
私と光は三葉のパシリとなり、小鳥を撮りたいと言い出した三葉のために親鳥を巣から離しているところだ。
これが大変な仕事で…。
親鳥は自分の子供を守るために必死に私たち攻撃してきてそれが結構痛い。
そしてこれが一度だけでなく、四度目だということに光は腹を立てているのだ。
「もう終わりにしねぇ?」
光は体を伸ばして三葉を見ている。
「はぁ〜??撮りたかった写真が見つかるまで付き合ってくれるんでしょ?それとも由緒正しき払い屋クソダサ交通ピアス様は約束も守れない嘘つきクソダサ交通…」
___ビビビビ
「ああああああ!!」
「調子乗ってんじゃねぇぞ…」
「あああ!!消えちゃう!消えちゃうからぁ!!」
三葉の煽りに光は由緒正しき払い屋の家宝、雷霆杖を向けている。
『こら、喧嘩はダメ。三葉も光が大変な思いして手伝ってあげてるの。そんな言い方ないでしょ?光も自分の言葉に責任を持ちなさい。約束はしっかり守るものよ。』
「「はい…/おう…」」
今回は反省してるみたいだから許すとしようか。
「じゃあさっさと撮って終わらせようぜー」
『三葉は人をいつも撮らないよね。今ちょうど部活やってるよ?』
「あー…まぁ人物写真の方が賞には入りやすいけど…」
何故か先を濁す三葉。
前から写真についてあまり話さなかったもんね。
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ななサマ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございますゥ! (9月10日 22時) (レス) id: a5c87dadb9 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - めちゃめちゃ面白いです!これからも更新頑張ってください! (9月10日 19時) (レス) @page12 id: 707eeda184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななサマ | 作成日時:2023年8月25日 17時