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目を開けると入る、たくさんの薬品が入った棚。
ここは保健室…?
私はベッドから体を起こした。
「目が覚めたか。」
「先生…」
今見た夢みたいな話。
この学園の生徒の男の子と先生の話。
私はあれが夢だとは思わなかった。
「い、今のって…」
だから聞いてみたくなったんだ。
「二番の時も見たろ。依代に宿った記憶だ。」
それから聞いた先生の話で、変なことだけど…本当に花子くんが亡くなっていることを実感した。
「これが俺の今話せる全てだ。相談事があれば聞いてやる。俺ァヒトじゃねェがこれでも一応お前らの先生だからな。」
そう言って先生は笑っていた。
「あと、ここに運んできてくれた真鍋になんか言ってやれよ。めっちゃ心配してたからなァ。」
お前愛されてんな、と先生はまた優しく笑ってベッドを仕切っているカーテンを開け、外に出た。
Aちゃんに心配かけちゃったな…。
____ダダダダ…バンッ
「!?」
「やっシロー!!!」
ドアか勢いよく開き、入ってきたのは花子くんと涙目のAちゃん、そしてヤコさんを乗せた源くんだった。
「お疲れサマ♡これで五番が暴走するシンパイはないね。学園のへーワは守られた!」
花子くんが私の上に乗ってくる。
『先輩ぃぃっ!!!』
そんな花子くんをどかして私に抱きついてきた。
「おわっ!」
飛ばされた花子くんの下敷きになる源くん。
「Aちゃん…ごめんね運んで貰っちゃって…」
『先輩が元気なら、笑ってくれるならいいですよ。』
困ったような、嬉しそうな笑顔で笑っている。
そんなAちゃんのふくよかな胸に私は飛び込んだ。
『…先輩?』
大丈夫ですか…?と心配した声が降ってくる。
それと一緒に優しく頭を撫でられた。
「土籠の境界怖かった?」
私はコクっと頷く。
『…大丈夫ですよ。』
よしよしと頭を撫でてくれるAちゃん。
「腹痛いっすか?」
『光は黙ってて。』
そんな2人会話に笑顔も出ない。
「ヤシロ一旦外すね。」
「……うん。」
Aちゃんに耳打ちし、花子くんは部屋を出た。
『先輩、私や光にでも話してみませんか?』
話せたらでいいっす!と源くんも言ってくれた。
「…うん、ありがとう。でも今は気持ちの整理が追いついてないから…明日にでも聞いてもらおうかな?」
「『はい!』」
顔を見合せた光くんとAちゃんは嬉しそうに、優しく笑っていた。
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ななサマ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございますゥ! (9月10日 22時) (レス) id: a5c87dadb9 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - めちゃめちゃ面白いです!これからも更新頑張ってください! (9月10日 19時) (レス) @page12 id: 707eeda184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななサマ | 作成日時:2023年8月25日 17時