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「………俺、自分語りって苦手なんだケド…じゃあエート…一つだけ…だよ。」


花子さんは恥ずかしそうに下を向きながら手を右往左往させていた。


「…………が好き。」


「え!?」


先輩は驚いたように声を上げる。



「"ドーナツ"が…好き。」



キャーと赤くなった顔を手で覆い隠す花子さん…


「「『………』」」


私たちは唖然。

ドーナツかい!とツッコミでも入れたくなった。

でもこれしか秘密は無い。

最大限すごい秘密だと先生にアピールをしなくては自分の番が来てしまうぞ…!!


「ドーナツ!ドーナツだって!!」


「どうだドーナツ!!」


『ドーナツ!』


「お前らバカか?」


仕方ない、先生になんと言われようと私の秘密は話す訳にはいかないんだ…


「まだダメみてぇだぞ?」


『もっと情報を出せばいけるはず。』


それから私たちはヒソヒソと花子さんの秘密を暴いていった。


「何味が好きなの?」


「ふつうの…」


「どこのだ?」


「手作り。」


「「手作り!?」」


『もっと他にはないんですか?』


情報を聞き出そうとした時、





「ガキ共!時間切れだ!」


先生の声が書庫に響く。

本棚に反響して音が奥にまで続いている。


「最後、お前だ真鍋。」


『………』



必殺奥義を出すしかないか…!!


『…先生、私知ってるんですよ。校長先生のスーツにコーヒーこぼした犯人。』


「ギクゥ!!」


先生の体が跳ね、冷や汗が一筋頬を伝っている。


『たまたま、ほんとに、たまたま先生に頼まれていた資料を届けるために職員室を覗いた時。先生がこぼして慌ててるの見たんですよ。』


偶然ってものですね。と嫌味ったらしく言ってやった。


「そ、それの犯人は俺じゃなくて国語の渡辺先生だったぞ…?」


『へぇ…校長先生のスーツにコーヒーをこぼしたって私の嘘だったのに…?』


「ビクゥゥ!!」


先生の体がさっきよりも跳ね上がる。

冷や汗の数も増えている。


『先生…本当はどうなんですか?
生徒に嘘をつくなと教える側の人間がそんなのでいいんですか?生徒に悪いことをしたら謝れと教える側の人間がそんなのでいいんですか?』


「……………わかった。犯人は俺だよ……、お願いだ…言わないでくれ!!」


『分かりました。でも、条件付きで。私の秘密暴露は無し、先輩たちの秘密を放送で流すのなし!』


「Aちゃん!」


「Aすげぇ…」


「マナベ強いねー!」


私は何とか秘密を守りきった。

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ななサマ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございますゥ! (9月10日 22時) (レス) id: a5c87dadb9 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - めちゃめちゃ面白いです!これからも更新頑張ってください! (9月10日 19時) (レス) @page12 id: 707eeda184 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななサマ | 作成日時:2023年8月25日 17時

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