幼なじみと最強 (ページ19)

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初の祓いページ19

部屋に戻ると傑は枕を抱きしめながら丸くなって眠っていた

『髪の毛サラサラじゃん』

傑が私にする様に頭を撫でると気持ち良さそうな表情を浮かべている

『んー、あっちが犬ならこっちは猫か？』

あと数時間で朝だがまだ寝足りないので床に寝転がり
タオルを掛け布団にして眠った

傑side

｢ん｣

目を覚ますと隣にAがいない

辺りを見渡すと地面で小さくなって眠っている

｢一緒に眠ればよかったのに｣

私はAを抱えてベッドに戻して布団をかけてあげた

｢A…｣

初めて会った日Aには小さな呪霊が取り憑いていた

サッと触れようとするとみるみると黒い玉になって私の手の内に納まった

Aは先程とは打って変わった明るい表情になり私は近くの公園へと連れて行った

｢ねぇ、これ見える？｣

『どれ？』

｢これ｣

『わかんない』

昔から両親が見えないものが視えている事は分かっていた

だが黒い球体になったのは初めての事でどうすればいいか分からない

｢ねぇ｣

『なーに？』

｢もし大きな黒い玉が手にあったらどうする？｣

『んーーー食べてみるとか？』

想定外の返答に少し驚きつつも試そうとペロッと舐めるとこの世のものでは無い味がする

だが、正解な気もした。

『はっ！！！！い、今何時！』

｢8時前｣

『傑！！起きてたなら起こしてよ！』

｢ごめんごめん、あまりに気持ち良さそうに眠ってるから｣

『もぉぉ、やばい遅刻する！！』

急いで服を脱ぎ散らかすAに笑ってしまう

｢恥ずかしくないの？健全な高校男子の前で｣

『何言ってんの、一緒に風呂に入った仲なんでしょ？』

前までの反応とは違い逞しくなったものだ

なんて少し笑っていると

『あぁ！忘れてた。放課後悟とファーストフード行くんだけど来る？硝子も誘おうと思ってて』

｢悟？｣

『うん。予定あるなら仕方ないけど』

｢いや行こうかな｣

『OK悟に言っとく』

何故なのか胸がチクリチクリと痛む

Aとは既に付き合ってるはずなのに