36 ページ36
.
「純さん、純さん、今ちょっとだけいいですか？」
「あ、君はAちゃんの同期の」
「えー♡知っててくれてるなんて光栄です」
月曜の午前中は特に忙しい。
やっと作業が片付いて自販機にコーヒーを買いにきた。
「あのっ、噂で聞いて
こんな事直接聞くのもダメかな〜と思いつつ、、」
「何？」
「ホント、風の噂で
純さんがAのこと好きだって
聞いたんですけ、ど、、」
ブッッッ！！
「ギャーーー！！コーヒー！」
「ご、ごめん！だって君が急に変なこと聞くから、、」
思わず吹き出したコーヒーを拭いながら
Aちゃんの同僚を見る。
「そんな動揺しないでくださいよー。
ただ、風の噂で聞いただけって言ってるじゃないですかぁーー」
「ベ、別に好きじゃないよってかAちゃん彼氏いるんだよね？」
「あれ、何か知ってる感じですか？」
あれは一ヶ月くらい前
きっと、Aちゃんが
ホテルで韓国人彼氏と過ごしたであろう週末が終わり
月曜日、一緒に資料作りを進めていた時に
ふとかがみ込んだAちゃんの鎖骨あたり
見えてしまった
赤いしるし。
白い肌にクッキリとついたそれは
きっとAちゃんが充実した週末を過ごした
そんなしるしだ。
「韓国人の？」
しかもめちゃめちゃに独占欲の強い、
挑発好きな、、、ね？
「そうです！
でもまだ純さんにもチャンスありますよ♡」
「は？」
「だってまだ付き合ってる訳じゃないから
しかも遠距離だし私は圧倒的に純さん有利と思ってます」
「いや、、」
「会いたい時、辛い時に会えないってうまくいかないと思うんですよね〜私！
近くで支え合える方になびくのは自然な流れだと思いませんか？？」
「まぁ、そうかもしれないけど」
「A、今はあっちばかり気が向いてるかもですけど、気長に待てばきっときます、純さんのターン！」
「、、、なんだそれ」
「どっち応援するとかないですけど、でもAが幸せになれるのは純さんだと思って！」
じゃあ、私はこれで〜と頭を下げて去ってゆく。
はぁ。
なんだったんだ。
まだ熱いコーヒーを啜り
真剣な表情でパソコンを眺めるAちゃんの方を
チラリと見た。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 251人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めみ | 作成日時：2023年3月24日 20時
