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キャーー！！ジミナー！！
グクー♡こっち向いてーー！！
だいすきー！ジミナー！
夕方からの収録を終え、外に出ると
数え切れない程のファンが僕らに手を振る。
「みんなー！ありがとうございますー！」
隣にいるグガが手でハートを作ってみせると
ひときわ大きな声援が巻き起こった。
ギャー！！グクー！
こっちも見てーーー！！
僕も最後まで手を振り、お辞儀をしながら送迎の車に乗り込んだ。
バタン
「で、、
ヌナのこと、どうするんですか？
隠し通すのは無理だと思いますけど、、」
「ヌナって言うなよ。
てかお前より幼くみえるからヌナ感ないよ」
「とりあえず！！ヌナ日本人ですよね？僕等を知る機会なんていくらでもあると思いますよ」
「しかも、ヒョン今回本気じゃないですか？
ちゃんとしないと、、信用なくしてまたフラれたりして！！」
「だから！フラれてないって言ってんだろ」
窓の外を眺める。
これでもかってくらい黒くスモークされた窓からは
ソウルの夜景も黒く沈んで見えた。
「言わなきゃいけないってわかってるよ。
嘘はつきたくないから」
「でも、お前もわかるよね？
素の俺と出会って、そんな俺を好きって言ってくれてる。
この満たされた時間をもう少し味わっていたいんだよ」
いろんなものを手に入れて
心にぽっかり空いた穴。
自分がBTSじゃなかったら？
こんなに売れていなかったら？
違う人生を歩んでいたら？
そうしたら誰かが僕の事を愛してくれただろうか。
「わかりますよ。その気持ち。
僕達はこんなにも愛されているはずなのに。」
「うん」
「それを満たしてくれる人に出会えて
ヒョンは幸せですね〜」
「、、、うん」
普段明るいみんなのマンネだって
きっと、
寂しさや満たされない思いを抱えて過ごしてる。
成功を手にしたからこそ、
本当に必要なものは手にできないのかもしれない。
Aちゃんを利用して、、自分の心を満たそうとする僕は最低なのだろうか。
半分氷の溶けた薄いコーヒーを啜る。
二人で窓の外を眺め
それきり会話は途切れた。
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作者名：めみ | 作成日時：2023年3月24日 20時
