相良くんに捕まった

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「えーっと………………、ご要件は？」


場所は変わって喫茶店。相良さんはじーっと何も言わず私を見つめてくる。さっきからずっとこんな感じで気が張る。


相良「とくにねえよ」


じゃあなんで連れてきたんだ。こっちは心臓が持たないのに！！


「それにしても相良さんサテン似合いませんね」


相良「うるせえ」


ほんとに似合ってない。いかつくて、銀髪オールバック。ましてや開久の制服。お店の人もちょっと怖がってるっぽい。


レモネード飲んでるけどなんか一周まわって面白いっていうか、可愛いって言うか。


「こんなに似合わない人初めて見ました」


相良「Aちゃん。そろそろ黙れ」


やっぱりこわーい。ほんと、早く帰りたい。


「黙ります…………」


相良「Aちゃんってうさぎ見てえだよなあ」


うさぎか。可愛いから言われてみたら嬉しいかも。


「なんか嬉しいです」


相良「初めて見た時からずっと思っててよお」


「へえ。そうなんですか」


相良「興味無さそうだな」


「そんなことないですよ」


第一印象うさぎってあんまり聞いたことない。


相良「まあ成蘭の子うさぎって呼ばれるだけあるな」


「そうなんですか？」


相良「ははっ。知らねえのかよ。ここらじゃ有名だぜ？」


初知り。そんな感じで浸透してるなんてなんか恥ずかしい気もする。なんかもっとこう、かっこいい感じがいい。


「相良さんは開久の狂犬ですもんね」


相良「そうだよ。かっけえだろ？」


「はい。羨ましいです」

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