《和奏》ラッコさんパワー!!《ラッコになってiPhone破壊チャレンジ後日譚》 ページ7
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「和奏!あの今バズってるラッコのやつって和奏のお兄さんが撮ったんでしょ!?」
「うんっ!お兄ちゃんはすごいんだよ!!」
「確かにすごいよねぇ……あれ可愛かったなぁ……」
クラス中で今話題になっているのは、和奏の双子の兄、草薙星矢の撮影し、投稿したラッコの写真と動画である。
その話題が出る度に、和奏は自慢げに「それ、お兄ちゃんが撮ったんだよ!」と報告する。当の本人は少し恥ずかしそうにしているが。
いつも通り友人とはしゃいでいた時、担任の教師の急かすような声が聞こえる。そういえば、次の時間は体育だったか。筆箱と上履きを持ち、体育館へと移動した。
「ねぇねぇ、和奏。ラッコやっぱ可愛かった?」
「うん、すっごい可愛くてー、あと結構パワフルなんだなぁって思った!」
「パワフル……まぁ確かにiPhone破壊してたしね……」
「あたしも……ラッコさんみたいなパワフルさで頑張ろーっと!!」
その時、和奏の足元にボールが転がってきた。それを拾い、転がってきた方を見ると、そこにはクラスの男子が手を上げていた。こっちに投げてくれ、ということだろう。
「!よぉーし、ラッコさんパワー見せつけちゃうぞー!!てぇーいっ!!」
ブォンッ。
和奏がボールを投げると同時にジェット機が通り過ぎるような風を切る音が体育館を満たす。刹那、ドゴォッという破壊音が鳴り、男子の顔の真横にあった壁には顔と同じくらいの大きな穴が空いた。それは少なくとも14歳の小柄な人間の少女の出す火力では無かった。
……その後、男子はショックのあまり気絶し、破裂したボールと穴の空いた壁の賠償金は両親が払い、和奏と共に謝罪をした。その時、パワフル過ぎるのも良くないな、と和奏は思ったそうな。
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