ドキドキ♡生チョコ作り〜味音痴2人を添えて〜 ページ36
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「今日、バレンタイン、初期メンで生チョコ作る、以上!!」
「クソ雑ドウニュウももうナレタもんだナ」
呆れながらも管理人から渡されたフリフリの地雷系ファッションのようなエプロンを装着するレイジーと、普段のシンプルなエプロンを着けて生チョコのレシピを確認する奏乃。
「ミルクチョコ250gと……あと生クリーム100cc、そしてココアパウダーを適量、ですね。結構簡単ですし、これなら皆さんでも出来るような気がします」
「簡単に出来ちゃ困るんだよ奏乃ちゃんー」
「えっ」
割烹着姿のPが指をうにょうにょ動かしながら、不気味な笑みを浮かべる。後ろでは、ホナツが意気揚々と給食エプロンに着替えていた。
「ねぇー……知ってるー?奏乃ちゃーん……オリジナルのチョコはねぇ……毎年多くの被害者を生み出している事で有名なんだよー……」
「みんな美味し過ぎてぶっ倒れちゃうのよね」
「え……えぇ……その、と、とりあえず……作ります、か……まずはチョコを細かく刻んで……」
「もう刻んでおいたわよ」
そう言ってホナツが指さしたのは、殆ど粉状に刻まれた板チョコだったものであった。無残にもそのチョコはまな板を遥かに飛び越えて、キッチンの床を茶色に汚した。
「……じゃ……えと……刻んだチョコは一旦ボウルに入れて、次はお鍋に生クリームを入れ」
「ほらヨ」
ばしゃっ。
叩きつけられるように鍋に投入された生クリームを見ながら、奏乃はなんとも言えない気持ちをぐっと堪えた。
「……生クリームを沸騰寸前まで温めて……それで、チョコの入ったボウルに生クリームを入れて……泡立て器で混ぜます」
「任せてよー」
そう言ってボウルを奏乃から奪い、泡立て器で混ぜ合わせていくP。するとおかしな事に、みるみるうちにボウルの中身が紫色になっていく。
「あれぇー?何でぇ?」
「……こっちが聞きたいところですよ……」
「ツギ、早く」
「あ……はい……次は──」
「……なぁ」
「……何ですか、柊真くん」
「……俺あれ食う予定なんだけどさ、生きて帰って来れると思うか?」
「大丈夫しゅまっち、かのちゃそいるからまだマシ」
「マシか?マシなのか??」
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イカノシヲカラ@企画主催中(プロフ) - 黒乃フィルさん» 可哀想な子って可愛いからね、うん() (2023年2月21日 21時) (レス) id: 23a9d9ad0e (このIDを非表示/違反報告)
黒乃フィル(プロフ) - 確固たる意志…()奏乃…強く生きろよ((((((((((((( (2023年2月21日 21時) (レス) id: 1690a91c12 (このIDを非表示/違反報告)
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