検索窓
今日:12 hit、昨日:4 hit、合計:1,983 hit

爆弾魔現る ページ29

*



なんてことない、平和な日だった。
アパートの管理人、イカノが裏庭の低木の手入れをしていた時のこと。突如小さな爆発音が、アパートの入口の方から聞こえてきたのだ。


「んわっ!?な、なになに!?急襲!?」


急いで魔法陣を使い、入口の方へ向かうと、そこには小柄な黒い服の男性が立っていた。
魔法陣からイカノが出てくるのを確認した男性は、嬉しそうに声を挙げる。


「あ!君が黎明アパートの管理人さん?」

「そうだけd……じゃなかった、そうですが?」

「んじゃあ僕のこと知ってる?」

「……そりゃあ創造主ですし。もちろん存じ上げておりますよ、天才画家の焔ヶ原 弾さん?」

「さっすがー!」


弾と呼ばれた男性は、ひゅーひゅー、と口笛を吹いてイカノを囃し立てる。
そんな彼を見て、面倒くさそうに頭を搔くイカノ。


「……で、どのようなご要件で?」

「そりゃもちろん決まってるじゃん。ここに住みたいんだよ」

「……はぁ……構いませんが、ここには血の気の多い奴が多いですよ?あなたみたいな界隈で一部のものに大人気〜なんて人がもし怪我でもしたら……いや、怪我だけじゃすまない。下手したr」

「大丈夫だよ、僕天才だし最強だもん」


にやり、と不敵な笑みを浮かべ、小型爆弾をボールのように扱う弾。イカノはそんな弾に呆れたのか、それとも折れたのかは定かでは無いが、ペンとバインダーを取り出して彼に渡す。


「はー……了解致しました。ではこちらの用紙にお名前をどうぞ」

「あざーっす」


爆発で荒れた手でペンを自在に操り、鼻歌を歌いながら名前を書き、バインダーを渡す。
それを確認し、小さな時計のついた鍵を渡す。


「焔ヶ原 弾さん……ですね。ではこちらがあなたの部屋である107号室の鍵になります。黎明アパートでの生活を、どうぞ心ゆくまでお楽しみ下さいませ……」

「さんきゅっ!あははっ、どんな人に会えるかなぁ〜、ちょー楽しみ!」


スキップをしながらアパートに入っていく弾。それを見守りつつ、また裏庭に戻るイカノだった。



















先程よりも大きな爆発が起こり、ブチ切れながら弾を追いかけ回したイカノがいたのはまた別の話。

スランプ→←黎明アパートのハロウィン



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

イカノシヲカラ@企画主催中(プロフ) - 黒乃フィルさん» 可哀想な子って可愛いからね、うん() (2023年2月21日 21時) (レス) id: 23a9d9ad0e (このIDを非表示/違反報告)
黒乃フィル(プロフ) - 確固たる意志…()奏乃…強く生きろよ((((((((((((( (2023年2月21日 21時) (レス) id: 1690a91c12 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:イカノシヲカラ | 作者ホームページ:No.  
作成日時:2023年2月16日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。