永遠の夜明けのアパートは。 (ページ27)

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慣れって怖いねって話。ページ27

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学校から帰って来た奏乃と柊真が見たのは、全身タイツに身を包み、各々がポーズを取る住人達の姿であった。
いきなりで意味が分からないだろう。安心しろ、この2人も分かっていない。

「……えーと、何してるんですか……?」

「戦隊ごっこよ」

「戦隊ごっこ」

「はい。お2人はヒーローとして活躍していますよね?それで、ホナツちゃん達が「自分達もヒーローになってみたい」と言っておりまして、管理人さん達の協力のもと、現在に至ります」

「あんたはそれで良いのか」

そんな柊真のツッコミをスルーし、ホナツ達は自己紹介を始めていく。
まずは赤い全身タイツ、及びパワードスーツを着用したホナツが躍り出る。

「散らせ命!爆ぜろポジティブ!!センケツレッド!!」

「散らせ命!?爆ぜろポジティブ!?!?」

「ヒーローじゃなくてヴィラン側じゃねぇか!!」

次に、桃色の全身タイツのPが宙に浮かびながら自己紹介をする。

「キミのゲームのデータ、全部消しておいたよ。ブラクラピンク」

「ブラクラ(ブラウザクラッシャー)ピンクとか害悪以外の何者でもないだろ」

「……てか、ゲームのデータってまさか……」

「……おい」

「うん、柊真君のやってた格ゲーのデータ消したよ☆」

「おいマジでふざけんなお前」

柊真がPに殴りかかろうとするが逆に卍固めにされ、そのまま紫色の全身タイツのレイジーが回りながら続ける。

「アイはエイキュウにフメツだよっ☆ジュンアイパープル!」

「具体的にどこが純愛なんですか教えてくださいよ」

「ウルセェ純愛は純愛なんだヨ」

「精神攻撃系なのにクッソ暴論で草も生えねぇ」

とは言いつつも、面白いなと感じながら聞く2人。

「えーと最後は……あれ、紫夕さん黒色なんですね?」

「はい。おほん……
労働基準法違反の企業なんて!!消えて無くなれ!!!!シャチクブラック!!」

「紫夕さん本当何あったんですか……」

「色々!!」

吹っ切れたような綺麗な笑顔の愛詩に若干困惑しながら、戦隊ごっこをする4人に話を振る奏乃。

「そのー……なんというか……なんか、もうちょっとマシな自己紹介考えませんか……?」

「は?何、じゃあアンタ達が普段やってる奴見せてみなさいよ」

「えっ、えっと……
……闇照らす、聖なる光に幸あれ。ミラクルチェンジ、シャイニー」

「……人々を惑わす歪な心の人形よ、今宵闇に呑まれ、消え爆ぜよ。メタモルフォーゼ、ダークプリンス」

「……恥ずかしくないのー?」

「「今更何も?」」