永遠の夜明けのアパートは。 (ページ21)

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私の夏はまだまだ始まったばかり(白目) ページ21

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裏庭に着いた黎明アパートの一行。
大量の竹を後目に、イカノが説明を始める。

「えーとまず誰の武器で竹を割るかなんだけども」

「武器で割るもんじゃないですよねこういうのって」

「誰の武器が最適だと思う?」

「無視しないで下さい」

うーんと唸った後、レイジーが少し不貞腐れたように呟く。

「……ボクそもそもブツリでコウゲキ出来ないカラお門違いダナ」

「あーそっかぁ、レイジーちゃん精神攻撃は得意だもんねー」

「誹謗中傷とかか?」

「そういうのじゃねーよテレパシーとかだっつーのバカかテメェ」

「馬鹿っていう方が馬鹿だろばーか」

「まぁまぁ……」

止めに入った愛詩だが、そのあと申し訳なさそうに笑う。

「私も力になれなさそうですね……いくらなんでもライフル射撃では竹を割ることは出来ませんから」

「アンタ遠距離射撃以外になんかないの?」

「近距離ならMA拳ですね」

「いやなんで持ってんの逆に」

意外な回答に少し引きつつ、ホナツは奏乃の方を向く。
何かしてしまっただろうかと肩を跳ねさせる奏乃。

「な、なんですかホナツさん……?」

「いやアンタならチョップとかで竹割れそうだなって」

「割れないですよ!?」

「そうだよオリジナルー、奏乃ちゃんが出来るのはせいぜい100kg前後のものぶん回すくらいだよー」

「ゴリラかよ……」

「柊真??」

「へーへー」

そう言って面倒くさそうに肩を竦める柊真。しかしその直後、誇らしげにドヤ顔をする。

「俺はオウジサマだからな。剣術なら使える。なんなら俺専用の傀儡の軍隊だってある。奏乃より俺の方が最適だろ」

「ムカつくから却下」

「(´･ω･`)」

残ったのはホナツとPのふたりだった。
いつものナイフを回しながら、ホナツはニタリと笑ってみせる。

「やっぱり私しか居ないわよね?軍隊とやらに任せて御役御免になった剣よりもEXPをいっぱい吸い取った私のナイフの方が優れてる。でしょ?」

「なんかお前俺に対して当たり強くね??」

「黙れよ。はーいみんな文句ないみたいだし私が切りまーす!」

「いやまだ何も言ってないです……というか、Pさんは?」

各々がPを探し始める。
と、その時。カタン、という、竹同士が当たる心地よい音が辺りに響いた。

その音の先を見るとどうだ、そこにはニコニコと笑うPと、そのそばには流しそうめんのセットが組まれているでは無いか。

「みんな話長すぎー。早くそうめん食べようよ?」

「……アンタバケモン?」

「え今更?」