End of Line 2 【登坂広臣】 (ページ26)

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夢？

幻覚？

信じられない
そう言いたげに手が伸びてくる

「好き」

噛み締めるように繰り返した

言葉達が

ゆっくりと染み渡っていく

Aは
じわりと目元を滲ませ

あの時みたいに頬に手を添えられて、
それを包むように俺が手を重ねた

『ｯほ、んと … ？』

声が震えてる…
こんな顔をさせられるのは自分だけでありたい

ふって口の端をあげて笑う

「お父さんとお母さん、シュウさん、おばあちゃんに
約束する」

『っ、ここで、誓うの？』

「うん。みんな見てくれてるから」

『みんな…？

っおばあちゃん!? 』

Aは

俺が幸せにしたい。

Aには、笑顔が似合う。

俺の隣で笑っていて欲しい。

「 A

俺と付き合って？」

お父さん
順番を間違えたのは、許してください…
その分、今まで以上に笑顔が溢れるようにします

お母さん
こんな素敵な優しい子供に育ててくれてありがとうございます。

シュウさん
お姉ちゃんのこと、幸せにするから
見守っててください

『わたしも、おみくんが好きっ』

飛び込むように抱きついてきたカラダを
大切に抱きしめた。

悲しませちゃいけない

Aを守れるのは俺だけなんだから。

「ふたりとも、

ばあちゃんとこの孫だぁね」

えがったねぇ

えがったえがった

俺とAの頭を優しく撫でる手が
あったかい

自分の祖母を思い出して、少し鼻の奥がツンとした

.

.

.

お風呂も入れさせてもらって

2人で縁側に座りながら
月を眺めた

ブランケットにくるまって

一緒に作った曲を歌って星を見て

夢みたいに幸せな時間を過ごした

馴染むように繋いだ手が

お互いの形を
変えることがないように

離れないように

強く握りあった

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