End of Line 2 【登坂広臣】 (ページ3)

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…

「 A … ？」

突然、ぎゅって抱きしめられて

柔らかい息が首を掠めた

思わず声が出そうになって、自分の手で口を塞ぐ

「 ( シーッ) 」

口に指を当てて
イタズラに笑ったおみくん

相変わらず身体に彼の腕が巻かれたまま

「大丈夫か？」

『心配かけてごめんね

大丈夫だよ、』

「 … なんかあったら言えよ？」

『うん、ありがとう

壱馬は風邪ひいてない？』

「おうっ俺は全然元気やもん」

壱馬

彼の名前を出した途端、ガブリと噛みつかれて
びっくりしておみくんをみた

ムスッとした顔で

だれ

口をパクパクさせた

鋭い目から逃れられなくて、

『わざわざ連絡してくれてありがとう

早く治して、明日からまたカフェ行くからっ！』

「うん笑また行くわ」

『まってるね、』

電話が終わって、後ろを振り返ろうとしたら

間髪空けず

「カズマってだれ」

口を尖らせてジリジリと私を隅に追い詰める

ひんやりとした壁が背についた
もう下がるところもない

『仲良くなった常連さん… 』

「 … へぇ」

『っ、おみくん？』

「なに」

冷たい

背中に触れる壁くらいひんやりとした空気が
二人の間を通り抜けた

視線が鋭く刺さる

『おみくん、…怒ってる？』

「…気のせいじゃね」

絶対ウソじゃん…

一切目が合わなくなった

『ごめん、勝手に服洗っちゃって…』

怒ってるワケが思いつかくて、、
彼の服を勝手に洗濯したことが浮かんだ

こだわりの洗い方があったとかだったらお節介だったよね…

目をぱちぱちさせて驚いた顔をした

「いや、服じゃねぇし」

『ぇ、だって…』

すると、はぁーってため息をついて

小さく笑った

「なんでもない」

『えぇ…ウソじゃん…』

「…うそだけど、また今度言うから」

そう言うと、私の返事を待つでもなく
おみくんの興味はグリルで焼かれてる魚に移ってしまった

.

「うーまっ」

味付けの心配は要らなそうだった
パクパクと口に運んでく

「マジうまい、ありがと」

刹那

" 姉ちゃん！ありがと！ "

おみくんの人懐っこい笑顔が
シュウと重なった

おみくんに貸したスウェットは、シュウが着ていたもの。

『っ、』

向かいの席から、私の隣に移動したおみくんは
優しく私を抱きしめた

…