End of Line 2 【登坂広臣】 (ページ16)

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手渡された写真は
今日の撮影を現像したもの。

岩ちゃんと、山下さん、エリーさん

3人のみなさんとの写真。どれもステキに撮ってもらえていた。

おばあちゃんに送ろう…

応援してくれてる。

まだ歌っていないけど、1歩ずつ頑張ってるよって伝えたい。

「入っても大丈夫？」

『はいっ』

ノックの音に振り向いたら、今日メイクをしてくれた沢口さんがドアから覗いた

少しお話したけど、意思がしっかりしていて話しやすかったな…

「今日はありがとうね、ステキだったよ～！」

『私こそありがとうございました…！』

「どうする？メイク落としても落とさなくても…」

滅多に引かない黒のアイラインと赤のリップ

そんな自分が新鮮で少し嬉しい
出来れば落としたくないかも…

『このままでも、いいですか…？』

「もちろん！
あとね、登坂が絶対飯行く！って言ってたよ」

『ぇっ、』

ニマニマしてる沢口さん

ほら！リップ塗り直そ！服は私の私物だからあげちゃう！ほら、その靴も！

あれよあれよという間に、お直しが済んで、撮影にきていた服まで貰えることになった。

『沢口さん、こんなに…いいんですか？』

「もー！沢口じゃなくて由香でいいよぉ！」

沢口さん

改め

由香さんは、妹が出来たみたいで嬉しくなっちゃう！
そう言ってくれた

『…わたしもお姉ちゃんが出来たみたいで嬉しいです』

お姉ちゃんだから

由香さんの気持ちが分かっちゃって、その気持ちを有難く受け取りたいな…

「っも～登坂があぁなる気持ちがわかるな～」

『おみくん、ですか…？』

またニマニマしてる

由香さんは三代目のメイクを結構長く担当しているみたいで、みんなもすごく信頼してるみたいだった

「…すごく不器用な所もあるけど

真摯に向き合ってくれる人だから。

なかなか言葉で示してこないかもしれないけど

信じてあげてね」

もう！喋りすぎってまた怒られちゃう！

ケタケタ笑いながら
わたしの背中を押した

「きっとこれから大変だろうけど、

応援してる」

『っはい！ありがとうございます』

そのまま見送られて、
メイクルームを出た

岩ちゃんに背中を押されて、踏み出した一歩がここで良かった

少しでも自信になるものが
欲しかった

でも、現実はそうはいかないみたい

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