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「ほんっと心臓に悪い」
「臣が大胆すぎるww」
「マジでビックリした笑」
まだ笑ってるメンバー
でも、それ以上に撮影の話を聞いているAと岩ちゃんの様子が気になって仕方ない
なんで岩ちゃんは良くて俺はダメなの
「お前、撮影なんてしたらそのまま食いそうだもん」
「好きな人があんな格好してたらねぇ」
「わかる?仕方なくね?」
「こら!」
同調してくれたエリー諸共、直己さんに怒られた
だってさ
エ ロくね?なにあれ。
あれ雑誌に載るじゃん
Aのページ黒塗りしようかな
野郎共の手に渡る前に俺が塗りつぶす
アホみたいなことばっか考えてるうちに
岩ちゃんとAが
セットに座った
いつものふわふわしてて柔らかい彼女は、
仕事だとだいぶ雰囲気が変わる
作詞の打ち合わせもそうだけど
空気が違う
「…何してんのかな?」
「宗教?」
Aは、祈るように手を組んで目を閉じた
そのルーティンは
仕事をするときは毎回しているものだって言ってた
「だいぶ…雰囲気ちゃうな」
「キリッとしたね」
仕事をする女性へと雰囲気が変わった
それらに気づいた人が
どんどん惹き込まれて行くのを肌で感じる
岩ちゃんと額を合わせて、
指を絡める姿は驚くくらいに綺麗だった。
恵梨華さんもすごく綺麗だと思うけど
また違ったものがある。
「 …… でも、1度はこの世界から離れたんだよね」
「アングレカム…でしたっけ」
「天使の祈り…」
俺も知らないAの過去
それでも
この仕事を受けるって決めたなら、きっと何かを決意したに違いない
「 …… Aは、
もうアングレカムじゃなくて
LUNAです」
そう呟いた
彼女がまた
飛ぶための羽根を折られてしまわないように
月を隠す雲が
少しだって減るように。
岩ちゃんとのシーンは
めちゃくちゃ妬くけど
外から見れるAのその表情の良さにも気づいちゃったから、黙ってそれを見ていた
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作者名:miu:miku | 作成日時:2020年9月15日 22時