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あれ
寝ちゃった、、?
「 Aー? 」
スウェットを掴んだまま寝てしまった
涙のあとだけが残るほっぺ
優しくその跡を拭う
なんとかAを横抱きにして
ベッドまで運ぶ
ぎゅって引っ張られたままの服
『 ゃ、っ 』
手を解こうと思ったんどけど
悲しげに眉が八の字になるから、そんなこと出来なくてそのまま俺も横になった
あったけぇ
足も絡めて、できる限り抱き寄せて
カンタンに逃げちゃわないように密着した
「 …おやすみ 」
おでこに唇を落とす
そしたら
さっきまで悲しそうだった表情がふわって優しくなった
明日の朝に起きて仕事いけば
間に合うっしょ
俺もつられるように、ゆっくりと目を閉じた
.
.
.
優しくて
暖かい夢を見た気がする
ふと目がさめたら、ぎゅっと抱きしめられてて
頭上にあるおみくんの顔
足が絡められてて、簡単には抜けられそうになかった
いまなんじ…
サイドテーブルに置いてた携帯をみたら
『 …… 6:30か… 』
おみくん、今日からお仕事だよね…
回りきらない頭を
頑張ってフルスピードでグルグルさせる
起きて、ご飯作って、洗濯して
おみくん今日別スタジオって言ってなかった…!?
寝てるおみくんそっちのけで
バッて起き上がる
「 っ… んぅ、」
起きて布団から抜け出したら、
何かを探すように手をバタバタさせてる
かわいい…笑
部屋に置いてたぬいぐるみを私がいたところに挟んでみた。そしたら安心したみたいにぎゅってしてまた寝ちゃった
.
.
.
おみくんの服にアイロンをかける
シワがついてたら
彼の面目が立たない
靴に汚れは?
大丈夫ね…
ヘアセット、してくのかな
引き出しの奥にまだ捨てられずにいたワックスがでてきた。 スウェットとといいこれといい…
『 お姉ちゃん…
まだ 切り替えられない、や … 』
あの時に泣いて落ち着いたからか
今度は涙は出なかった
部屋にまだ所々残る、シュウのもの。
お父さんお母さんが置いていったもの。
捨てなくていいんだよ
そう言って微笑んだおばあちゃんの顔が浮かんだ
鏡をみたら
酷い顔をした自分いる
『…まずは自分の顔から、だね』
おみくんが起きる前に
シャワーを浴びてメイクを整えた
彼が起きてくるまであと10分
…
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作者名:miu:miku | 作成日時:2020年9月15日 22時