End of Line 【登坂広臣】 (ページ10)

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…

"この日、ゲネプロがあります。

もし、少しでもまた聞きたいと想ってくれたら、本番も来てください。"

メモや紙を渡された

止めるまもなく、また来ますねって微笑んだ彼は変装セットに身を包んで、コロンコロンと鳴らしていなくなった

.

そして、"その日" は明日になっていた。

カウンターに座って、ハーブティーを飲む。
カモミールの香りが広がった

小さく息を吐く

『……まだ、怖いな』

口から零れた言葉は、わたしの本心で。

まだ引きずってることを自覚した。面倒くさいな自分…

『ねー、ジロ…』

カウンター席に座る薄オレンジのクマを抱きかかえた

最近洗濯したから、優しい洗剤の匂いがする

最近、寝不足だったんだよね…

重くなる瞼に逆らえなくて、そのまま意識を手放した

.
.
.

____ ！

ん…

話し声…？

話し声！？

ヤバいっ、寝ちゃった！

慌てて飛び起きた

「あ～！起きた～？おはよぉ」

『っ、テツヤ、さん…？なんで…』

「ふふ、Aちゃんうたた寝してたでしょ？なんかあったら怖いから、お兄さんがお店番してたの」

『えっ！？すみませんっ！』

バッと飛び上がった私を見て、ケタケタと笑った

「オレもカフェやってるからさ、少しくらい任せて？ってまだ、俺らしか居ないけどね笑」

……俺ら？

あ、そういえば話し声…

ふと、横をみたら

『っ！？？！』

ガタンってイスを揺らしてまた飛び上がった私を見て
その人も一緒にびっくりしていた

「驚かせちゃってすみません笑」

『お、お見苦しい姿を…』

恥ずかしくって
クマに顔を埋めるようにして頭を下げた

「あはは！思ったより感情豊かですね笑」

「そうなの！可愛いよね～」

「臣ちゃんが声掛けちゃったの分かるかも～」

『？あの…』

私を差し置いてなにか盛り上がるふたり

待ってごめんなさい…どなたですか、、

「あ！そっか。

EXILEと三代目やってます。NAOTOです」

よろしくね

差し出された手を恐る恐る触れると、優しくきゅっと握り返してくれた

『…蘭堂Aです。あの日、もしかしてお会いしてます、よね…？

すみません、、名前覚えるのニガテで…』

「ね？珍しいでしょ？」

「はい笑新鮮です笑」

…