End of Line 【登坂広臣】 (ページ46)

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…

『おみくん… 』

息が荒いままベッドに横になるおみくん

額を汗が伝った

『苦しいね… 』

トントンと拭ったら

ゆっくりと瞼が上がる

まだ熱があるから瞳が潤んでる

場違いにも程があるけど

それすらも綺麗にみえてしまう

「 …… A 」

『どうしたの？』

寝返りを打って、私の方に向いた

ベッドに置いてた手がぎゅって握られた。

風邪をひくと、人肌って恋しくなっちゃうよね…

「迷惑かけて、ごめん… 」

穏やかで落ち着いてるおみくんが、身を縮めてひどく心細そうに見える

『… いっぱい頑張ったね。』

ゆっくり頭を撫でた

パーマかな

クルリと巻かれた髪の毛がフワフワと手に触れる

『…ゆっくり休んだら早く治せるからね』

「 …… 」

小さく頷いて、またゆっくり目を瞑った

少しでも早く良く治りますように…

握った手をそのままにして、

気づいたら眠っていた

＊＊＊

ぐっと重たい瞼を上げた

あー…

何となく体調悪いかもって思った時には遅くて、でも絶対Aに会いたくて。

子供っぽいとかいい。知らない。

そのまま会いに行って、でもカフェについたらしんどさがピークだった。

寝不足と栄養不足だな

理由はわかってる。自己管理が少し甘かった

はあってため息をついて、

「 …… ？」

右手が上がんない

天井が違う

鼻を通った匂いは俺のじゃない

待って俺さっき…

カフェに行って…、、？！

その右手をみたら

『 … … 』

ベッドに顔を突っ伏して寝てるAがいた

ゆっくり上下する背中

自分の額に手を当てたら、だいぶ熱が引いてる

「 …… A」

カフェからここまで連れてきて

看病してくれたとか…？

カフェのエプロン付けたままじゃん…

焦ってたんだな

あー

なんとも言えない幸せが胸を締め付ける

幸せな気持ちが追いつかなくて

愛しさが込み上げてくる

「ありがとう」

触れる度に、

壊さないように大事にゆっくりと撫でた

＊＊＊