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翌日から

私はほとんど毎日、LDH本社に通っていた




臣くんのスケジュールに合わせて、マネージャーさんみたいに一緒にいる







「まずこれ。」







前に置かれたタブレットには、


" HIROOMI TOSAKAリリースソング "

その題の下に、これまでにリリースされたと思われる曲が書かれている







「たぶん聞いたことないよね」



『… ごめん。これからいっぱい聴く』







そんなこと言いたい訳じゃないからやめてよってケラケラと笑った







「 最初にWASTED LOVE

次が DIAMOND SUNSET


この2曲を聴いて欲しい。」







リリース年をみると

特に2曲目は私が折れて2年くらい経ってカフェを始めた頃だった。

私が腐ってるうちも、臣くんはこんなに活動してたんだ…







「そんで、今日撮影するのが、 LUXE」



『お…今日ね


……今日?』







くくって楽しそうに肩を揺らして笑ってる
からかわれてる、よね?






「今日です。これから行くよ

撮影をみて、雰囲気とか感じて欲しい



…結構、今までの俺と違う撮影にするつもり」







ワクワクしてるけど、不安

そんな雰囲気をまとってる彼は、少し落ち着かなそうに息を吐いた






『 … いま、聴いてもいい?』


「 … 移動まであと20分あるから。
ゆっくりしてて。俺着替えてくるから」






彼は 撫でるのがクセなのかな
髪をくしゃりとして部屋からでていった








***






今までの自分を塗り替える

そんなつもりで作る曲は、想像より体力を使うって知った。グループの時よりもたいぶ疲れてるのが分かる


特に今回の曲は、今までにない挑戦のようで。




この少しの弱さが、Aに伝わって不安を伝染させないようにしねぇと…





小さくため息をついて、さっきの部屋に戻った

ドアを開けたら
イヤホンをしながら少し揺れる後ろ姿





「 A 」





あの時と同じじゃん

ふっと思わず笑ってしまった。




なにか聞こえると思って口を噤んだ

すると、







『 〜 ♪ 』






それは鼻歌じゃなくて、ダイアモンドサンセットを歌うAの声だった

歌手が違うと、また違う曲に聞こえてくる






つい、




Aを考えて作ったんだよ



なんて口を滑らせてしまいそうになる。






出会いを奇跡と思ったあの時、




苦しい


過去の恋愛をやっと忘れることができたその一瞬は、クサイかもしんないけど、

ダイアモンドみたいにキラキラしてた。





***

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作者名:miu:みく | 作成日時:2020年9月5日 7時

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