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" CLOSE "

BGMを止めた店内はとても静かで。



彼を待ってる時間だと思ってると少し気持ちが浮つく。






それでも

仕事なんだからと切り替えて、あの封筒をまたあけた


楽譜と一緒にでてきた、手紙
それを広げると 私の仕事名義がでてくる





" LUNA "
スペイン語翻訳で、月を示す。

" 月のように静かな闇に浮かぶ光 "







手紙はヒロさんからのメッセージで。






" 頭の固いおじさん達で唸りながら考えました。

あなたが望む、覆面という形を実現した時、LDHのアーティスト達に月のように静かに優しくよりそい、自分の力で道を進むことができる力強さを持って欲しい。

そんな想いを込めています。

少しプレッシャーに感じるかもしれないけれど、あなたはその壁を超えてくると信じています "





覆面

歌えるようになること、歌うことを優先するとどうしても顔を出して表立つことが最善とは考えられなかった。


そんな子供のような気持ちを汲んでくれたあの方たちはとても大きい









『 … 一緒に、月の光を辿ろう________ 』









楽譜の裏に書き出した言葉

あの時ほど
スラスラとでるもんじゃないよね…



こぼれ落ちたワンフレーズ








〜 〜 〜 ♪







臣くんは、どんな曲を作るんだろう



どんなツアーを

作っているんだろう





もっと、近くに。




もっと近くで触れたい。









『 one last time … ? 』









もう一度?


またこぼれおちた言葉




なにを思ったのか自分でよくわからなくて、静かに首を傾げた









「 最後に、もう一度? 」




『 … わかんない





_________ え?』









顔を上げたら、目の前に端正な顔立ちの彼が。








『 !??!? 』







えっ


いつの間に!?



え、ホンモノ…?







そっと手を伸ばして 笑いをこらえてる彼に触れた

指先からジワッと体温が伝わってきて



離そうとしたら、









『 っ!? …?!!? 』




「 ホンモノだった?」








臣くんは私の手を掴んで、また頬に添えた
さっきよりもダイレクトに伝わる体温に、自分の体温が沸騰し始めた







『ほ、んもの…いつから居たの!? 』


「さっき。

声掛けてんのに、全然聞いてくんねーんだもん」







無視されてんのかと思った

むーって口をとがらせるのとか、分かってやってるなら相当ずるい。





「 これ。 」





トントンと示されたのは、私が書いたフレーズだった






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作者名:miu:みく | 作成日時:2020年9月5日 7時

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