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あの日から


臣くんがあまい




マフィンに入れたソースよりも、何倍もあまい








「ねぇ。臣ちゃんと付き合ってる?」



『 !? 』



「この顔は、ハズレみたいだよ?笑」



「うっそぉ!?笑 」







それは、直人さんまで届いているらしく
直人さん経由テツヤさん行きで広まっていた

いまお客さんいるー?って連絡がきて、いませんよって返してからの訪問はすぐで。


ニマニマしてるふたり









『なんでそう思うんですか』



「臣ちゃん、表情が優しくなったからぁ
もしかしてらそうなのかなぁって思ったんだけど〜」



「実際のところ、何も無いの?」









つまんなさそうにしないでください…

ぶーって口を尖らせたふたりは、探るように私を見た



何もなかったわけじゃない。
けど、私がいってもいいのかな…彼に迷惑がかかることは避けたい







『…残念ながら、無かったです』



「もぉ〜進展したら教えてね?!」



『ふふ、分かりました』







喜んでくれたクッキーも慣れたもので、バリバリと食べている。ウサギの耳は無くなった

ひと口飲んだテツヤさんがさっきとはまた違った空気で話し始めた







「ヒロさんから、Aちゃんにこれを渡して欲しいつて頼まれたよ」








はい。

あの時みたいな、茶封筒が置かれた。



開けてみると、出てきたのは
まだ何も置かれてない真っ白な楽譜








「楽譜?」



『音符ないです』



「メモとか入ってない?」








その楽譜を全部出してみたら、メモ用紙みたいものがはらりと落ちた







" まずは、第一歩です。

踏み出してみましょう。"



" HIROOMI TOSAKA のソロツアーに向けた楽曲の作成をお願いします。"






ツアー、コンセプト、楽曲イメージ

それは全て自分で話をして掴むことを求める内容が書かれていた。少しでも不安なことがあれば、何時でも尋ねてきてくれ、ともあった。









「聞いた時は本当に驚いたけど、



嬉しいなぁ」




『嬉しい、ですか…?』









当たり前じゃん!

キョトンとした私をみて、テツヤさんが優しく笑った









「楽しそうだけど

どこか寂しげだったAちゃんが


ちゃーんと自分と向き合いながら進もうとしてるのが分かって




すごく嬉しいよ 」









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作者名:miu:みく | 作成日時:2020年9月5日 7時

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