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…
さっきまでいた、空き部屋に
机を挟んで向かい合った
「いやね、あんな誘導するような話をしてしまった手前、無理強いしてしまったんじゃないかと思っていてね」
『…あの時、ヒロさんにお話したから、自分の中の気持ちを少し整理することができました』
「そうかい?それならよかったよ」
軽快に笑ったヒロさんは、
A4くらいの紙を広げた。
.
.
.
「君に出会えてよかった」
『必ずご期待に添えるように、尽力致します』
「自分を追い詰めるはダメだよ?」
過去を、苦しい記憶だけにしておきたくない。そんな気持ちをヒロさんが伝えてくれた
君だけが目指せる未来を作ろう
固い握手をしてくれたヒロさん。
彼に連れられて、三代目のみんながいるであろう控え室へ。
ドアを開けたら、さっきまでの氷風呂はどこかへいき、みんなストレッチやマッサージを受けていた。
「あ!お話終わったんですか?」
「お疲れ様です」
「おぉおつかぁあれさまでぇすぅぅ」
「岩ちゃんリラックスしてるねぇ笑」
ヒロさんに岩ちゃんと呼ばれた人は、マッサージの人にブルブルされてる
臣くんは…?
それとなく見渡してみるけど…
「蘭堂さん、アレ。みてみ?」
『あそこの人ですか?』
「そうそう笑」
ニヤニヤしてるナオトさんが指さしてるのは、マッサージ台なのかな?
簡易ベッド上に横たわってるタオルで顔が見えない人。
横にいってみたら、ゆっくり体が上下してる。
寝てる…?
チラってナオトさんをみたら、
「 (めくってみ!) 」
口をパクパクさせて、捲るジェスチャーをしてて。
その横に立ってるヒロさんもニコニコしながら頷いてる。
臣くん、ごめんね… 失礼しますっ
ゆっくりかけられたタオルを捲った。
「 スーッ … フーッ … 」
ライブとかで見せる、オラオラしてるのとか、甘いマスクとか、優しい顔とも違う、幼い寝顔に、胸がきゅんってなった
そーっと臣くんの髪を触って
ゆっくり、優しく頭を撫でた。
少し眉を潜めたけど、直ぐにまた幼い顔に戻った
『……おつかれさま』
…
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作者名:miu:みく | 作成日時:2020年9月5日 7時