End of Line 【登坂広臣】 (ページ24)

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ライブが終わったと同時に、客席を飛び出した

覚えてる限りの関係者通路への近道を走り抜けていく。すると、

『っヒロさん！』

モニターをみながら拍手をしている彼を見つけた

私の声に、振り返るスタッフに目もくれず、真っ直ぐにヒロさんをみた。

分かっていたかのように微笑んで、私を見た

『っわたし、』

彼の元へ歩きながら、息を整える

こんなに走ったのいつぶり？衰えてる。てか切りかえはや過ぎない？自分。

散々ツッコミを入れて、彼の前に立った

『…また、歌いたいです。

アングレカムとして、じゃなくて

蘭堂、Aとして、です

っ、… 逃げてしまったけど、私の言葉で愛を届けられるようにっ、なりたい、です』

少し驚いた顔をしたけど、彼は楽しそうに笑った。大きな手が差し出されて、首を傾げたら、近くにいた人に、握手！って言われて、ハッとした

慌ててその大きな手に自分の手を重ねると、力強く握られた。

すると、パチパチパチって拍手する数人に囲まれてて、目を白黒させる

どゆこと…？

また首を傾げたら、

「あんな大きな声で宣言したんだ。

みんなに聞こえているよ」

『……っあ、』

ハッてして口を抑えても、もう手遅れ。

スタッフさんに笑われながら、恥ずかしくなって顔を覆った。初っ端から恥を晒すなんて…

すると、

「メンバー降りてきますー！」

そんな声に、みんなバタバタと動きだして、そうだいまライブの後だから、メンバーも帰ってくる、て思い出した

「蘭堂さん。ここで待っていてくれるかい？」

『ここ、ですか？』

「いま彼らの出迎えに行ってくる。
落ち着いたら戻ってくるから、待っていて欲しい」

頷いた私を見て、彼は足早に舞台袖側に向かって行った

ライブの余韻に感化されたのか、さっきまでの突発的な行動に自分でも引いていた

悩んでた、数年間を吹き飛ばしてしまうほどのパワーを貰ったってことでいいのかな…

携帯に電源を入れて、LINEを開いた

おばあちゃんとのトークを開いて、メッセージを送った。

Aまた歌えたら、会いに行ってもいい?

直ぐに返信が来た。

数年もウジウジしてた孫を可愛がってくれたおばあちゃんに、愛と夢と幸せを届けるのも、私にかできないよね？

胸がふわっと暖かくなった

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