End of Line 【登坂広臣】 (ページ3)

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…

『～～ｯできた～！』

達成感に包まれて、ほっと息をついた

３６個のマフィンを作るために、昨日からずっとクローズしたままのお店

店内が、甘くて優しい匂いが広がっていた

ふと、時計に目をやると

『！いそがないとっ』

約束まであまり時間がない

ピロリン

珍しく鳴った携帯を手に取ったら、可愛い絵文字付きのメール

テツヤさんお迎え行けなくてほんとにごめんね、、
A大丈夫ですよ!あまりお気になさらないでくださいっ
テツヤさん入口にマネージャー置いとくから!(^_^v)
A置いとく?
テツヤさんそう!声かければ大丈夫!

置いておくって、

どういう意味だろ…

不思議に思いながらも、急いで出発した

.
.
.

いつ見ても大きいな…

白くて四角い大きな建物。エントランスとか駐車場には警備員さんがいて、ヘンに緊張する

どうしよ…
両手に抱えた袋を持って、立ち尽くしていたら

「あの、すみません」

『っ、は、はい』

「カフェの、、蘭堂Aさんでお間違いないですか？」

『はい…
あ、テツヤさんのマネージャーさんですか、、？』

「そうですそうです！よかった、合流できましたね。
お荷物お持ちします。…お迎えに上がれず申し訳ありません…」

わざわざ名刺を下さったマネージャーさんと一緒に、エントランスを抜けた

どこまでも白を基調したビル
すぐにある"LDH"とかかれたロゴ

もう触れないと思ったはずの世界に近づいたせいか、少しだけ心がぎゅっと苦しくなった

「…確認したら、いまちょうど休憩みたいなので、このまま入りますね」

『あ、それでは私はここで…』

エレベーターで上がって、フロアに出たらテツヤさんのマネージャーさん以外にも、スタッフさんが数人いてどんどん手荷物を持ってくれるものだから、ついに私は手ぶらになってしまった

心もとなくて、着ていたワンピースをぎゅっと握った

「それが、テツヤから中に連れてきて欲しいって言われてて…」

『…えぇっ、』

困ったように眉を下げるマネージャーさん。

ううっ、無下にできない…

どうしようか悩んでるうちに、

「あ！Aちゃ～ん！待ってたよぉ」

テツヤさんが、スタジオ６と書かれた部屋からでてきた

…