End of Line 【登坂広臣】 (ページ18)

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…

ｼｭｰｯ

口から出てくる湯気をぼーっとみてたら、
ヤカンが沸騰を知らせた。

頭を巡るのは、昨日のこと。

カラダが火照るような熱と、彼らにつられて湧き上がるモノが、まだ残っていた。

『あ…』

あまり鳴らない携帯が昨日から、ピロンピロンと私呼ぶ。スワイプして見てみたら、テツヤさんと、彼からの連絡で。

登坂さんよく眠れた?

あの後、帰る前に登坂さんは私とLINEを交換した。

トーク画面の人の少なさに驚いた様子だったけど、何故かすぐに嬉しそうに笑った

定期的に送られてくるメッセージ

それに返信するの、
楽しみなんだよね

Aはいっ。登坂さんはどうでしたか?
登坂さん俺も寝れた。
Aそれならよかったです^^
A今日のライブ、応援してます

既に会場に入ってるらしく、

詰め詰めで動くんじゃなくて、余裕を持ってゆっくりと準備をすると言っていた。

登坂さんうん。ちゃんと見ててください

彼らはきっと内柔外剛だ。

強くて逞しいけど、とっても優しくて柔らかくてたくさんの愛を持ってる。

.

今日のライブ

行こうか行かまいか、未だに迷っていた。

ハーブティーを煎れながら、時計をみると

AM 11:00

ライブはPM 3:00から。

もし来てくれるなら、30分前までに、出来れば来てねと言われたなぁ…。

気持ちは簡単には決まらなくて。

その時

prrr...

LINEじゃなく、電話がなった。

確認したら

『…もしもし、おばあちゃん？』

「Aちゃん、元気にしてらが?(元気にしてた?)」

『ふふ、もちろん』

遠方に住む祖母からだった。

電話越しの優しい声に、笑みがこぼれる

『おばあちゃんも、元気そうでよかった』

「Aちゃんに会うまで、弱れねぇべなぁ(弱ってられないなぁ)」

おばあちゃんはあんまりカラダは強くなくて、それでも施設じゃなくて一人暮らしをしてる。

少なくとも月に1度帰れたらって思ってたけど中々会えていなかった。それに、抜け殻みたいだった私とおばあちゃんはずっと一緒にいてくれた。

カフェも、おばあちゃんの弟さんの譲り受けだしね…

「なにか、うざではぐでねぇか(苦労してないかい)？」

…