12 ページ12
…
「おはよ〜」
『…誘拐犯?』
「ちょっと!笑 失礼じゃん!笑」
『すみません笑』
お迎えに行くって言われて、お店の前で待ったら後部座席の窓が空いて、不審者装備のテツヤさんが顔をのぞかせた
運転手、やっぱり違う人なんだ…
「お店の鍵、ちゃんと閉めた?」
『…あ!』
「ちょっと〜笑」
慌ててお店の鍵を締め直して、 車に乗り込んだ
『どこに向かうんですか…?』
「東京ドーム。30分もなく着くよ」
マスクをずらして、優しく微笑んだテツヤさんは腕をくんで目を閉じた
邪魔しないでおこう…窓の外を流れる景色を眺めることにした。
.
.
.
到着と共に、目を覚ましたテツヤさんは、ぐーっと背伸びをした
「よし!いくよ〜」
『はいっ、』
ハグれちゃだめだよ〜?
ツカツカと歩いてくテツヤさんの後ろを急ぎ足でついていく
『……久しぶり、だ…』
「んー?」
『っなんでもないです』
「そう?笑」
おもわず盛れた声
いま、私はただのカフェのオーナー
それ以上でもそれ以下でもない
「あ!これ。大事なやつ」
はいって首にかけられたネーム
"関係者"
これがないと追い出されるのか
「外しちゃダメだよ」
『はい』
ニコリとしたテツヤさんは、またツカツカと歩き出した。道行く人に軽く会釈をされて、それを返す
Tシャツデザインがみんな一緒で、ライブクルーか、と勝手に納得する
「はい。ここの席ね」
アリーナと呼ばれる席の左側あたり。
スタッフさん達がキレイに並べたイスを崩さないように恐る恐る腰掛けた
「じゃあ、オレは関係者の人たちに挨拶してくるから、ここにいてね」
『 はい…あの、、』
「ん?」
『ナオトさんと登坂さんには内緒にしてください…』
「えー!みんな楽しみにしてるのにぃ」
正直、最後までこの席に座っていられるかどうが分からないから…
「じゃあ、内緒にしてあげるから、
ちょっと長いかもだけど、最後までみててね」
また、ポンポンと優しく背中をさすって、テツヤさんは離れていった
…
424人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:miu:みく | 作成日時:2020年9月5日 7時