End of Line 【登坂広臣】 (ページ2)

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…

『テツヤさん…？』

声をかけたら、バッて顔を上げたから少しびっくりしてしまう。

その表情はもう色々溢れてて、

「なっにこれめちゃくちゃ美味しい！」

『ほ、ほんとですか…？』

「ほんと！何これ！中から甘いソースでてきた！」

断面からトロリとでてきたソースをみて、感動してくれてるみたい

『よかった～…』

「えー！これAちゃんが作ったの？」

『作らせて頂きました』

えー！すごいよ！

おいしい～

何個でも食べれちゃう～！ねー？

隣にいるクマに話しかけて、手を止めることなくあっという間に食べ終えちゃった

こんなに喜んで貰えるの嬉しいな…

「ね！これさ、オレの仲間にも食べさせたいんだけど、何個か作れたりする、、？」

『…ご注文頂けた分、頑張って作りますっ！』

「ほんとー？！嬉しいっ、ちょっとまってね～」

そう言ってカウンターに置かれた、ペーパーにペンを走らせた

テツヤさんのグループは確か６人組のはず。
6つかな…？

「…あー、ちょっと多いかも…」

不安げなテツヤさんから渡されたペーパー

『セカンド６、三代目７、ジェネ７、ランページ１６…

…… ３６個？』

想像の６倍だ

びっくりして数え直した私をみて、テツヤさんが面白そうに笑った

「オレも、思ったより多かったんだけど、できそう…？減らすことも出来るから、」

でも、せっかくのオーダーなら、受けたいな…

こんなに喜んでくれたテツヤさんが、お仲間さんに食べさせたいって思ってくれたってことだよね

『作ります！』

「えぇ～！ほんと？いける？」

『はいっ。明日であれば間に合います！』

「やったぁ！」

みんなに自慢しちゃうぞ～

張り切って、ポチポチメールを打ち始めたのを確認して、足早にドアの看板を裏返した

「あれ？店閉めの時間だっけ？」

『まだだけど、明日の準備しようかなって思ったので…』

「え！…ごめんね、ムリさせちゃった？」

オーラがしゅんってしてしまったテツヤさんにオロオロしていたら、

「もうっうーそ！わざわざありがとうね」

『よかった…
美味しいマフィン、作りますね』

コロンコロン

ニコニコのまま手を降って、テツヤさんは店をあとにした

…