【マギ】異世界冒険譚【トリップ】 (ページ32)

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第三十夜ページ32

シスルside

こんな幼い子が、青年に対してあんなことを言えるのはすごいですね。

殴られたばかりなのに、恐怖に負けず喋れたことに対してただ感心する。

ジュダル「…へぇ、チビ。そんなに見込んでる王候補なのかよ、こいつが？」

ふ～ん、とジュダル君は口角を上げながら胸元の布に手を入れながら喋る。

ジュダル「俺にはそうは…見えねーけど…なっ！！」

こいつは奇襲しか出来ないのでしょうか。

バチン…と、アリババ君を杖で切りつけた。

アリババ「ぐっ！！」

ジュダル「ほら、弱え～」

シンドバッド「ジュダル！」

倒れ込むアリババ君に駆け寄るモルジアナちゃん。

ジュダル「シンドバッド!!なんでお前、こんなくっだらねー奴らとつるんでんの!?バカじゃねぇの!?」

酷い言われ用に怒ったのか、アラジン君がジュダル君に向かい合う。

ジュダル「へっ、やる気かよ？」

杖を互いに向け合う二人の周りには白い鳥？というか、魔力の塊が集まっている。

ジュダル「戦う気満々みてェだなあ!?オイ!!」

アラジン「君と戦いたいワケじゃないけど、これ以上、僕たちになにかするなら止めるよ。」

シンドバッド「やめろ！やめるんだ二人とも！！」

ジュダル君は黙ったまま鼻で笑って言った。

ジュダル君「黙ってな、シンドバッド。これは「マギ同士の戦い。」ただの人間は口出し無用。それに、今のアンタに俺は止められないね。さっき見てわかってんだぜ…今、「金属器」一つも持ってねーんだろ！！」

金属器、とは迷宮攻略した時ジンがつく武器のことですね…？

…隣にいるアマディアは、ずっと見聞きしているだけだからか飽きてきているようだ。

もちろん、私も少しだけ飽きてきています。

見てるだけ、は飽きますよね。

出て行ったらめんどくさいので黙って見てますが。

あぁ、もちろん…危なくなったら助けに行きますよ。

あくびをしているアマディアを横目に、私は月を見上げた。