第十五夜 ページ18
シスルside
ジンが出てきた瞬間にザワザワとざわめく義賊達。
まああんなものが出て来たら普通はこうなりますよねぇ。
なんて思っているとアリババ君が前に出た。
やっぱり知り合いなのでしょうかね。
前に出たアリババ君にカシム君も不思議がる。
「どうした、相棒?」
「任せてくれ。」
そう言うとアリババ君は自分に巻いていた布を取りはじめた。
隣でアマディアが『え、身元隠すために巻いてたんじゃないの?』なんて、驚いた顔をしていたので教えてあげた。
「本当に馬鹿ですか貴方。わざとですよ、わざと」
分からないなんて、まぁまだ子供ですからね。
「僕の心の中読むなって言ってんj(むぐっ
読みたくなくても顔に書いてあるんですよ、と思いながらアマディアの口を塞いで言う。
「静かにしなさい。今大事なところなんですよ」
渋々ながらも黙るアマディア。
「アリババくん…?」
驚いた様に青い髪の少年が言う。
「お前の知り合いなのか!?アリババ」
「ああ」
カシム君の問に答えるアリババ君。
困惑している少年に、アリババ君が声を掛ける。
「アラジン久し振りだな、ウーゴくんをしまってくれないか。俺の仲間がビビってる」
「だめです!盗賊たちの言うことを聞かないでください!」
赤髪の少女が叫ぶも青髪の少年はジンを笛の中へ戻した。
少しの沈黙の後、両手を握りしめながら青髪の少年が口を開く。
「あのね、アリババくん。僕、アリババくんに会いに来たんだよ!話したいことがたくさんあるんだよ!あの時のことを覚えているだろう?」
静かな空間の中、少年が笑顔で続ける。
「約束したもんね!」
少しずつ少年に近づくアリババ君。
「アラジン…ごめん…」
アリババ君は少年が伸ばした腕を取らず、肩に手を一瞬だけ置いて言った。
「約束は、守れなくなったんだ」
後方が騒がしくなり、国軍が現れる。
「盗賊だ!!いたぞ かかれ!!」
「国軍の援軍が来たぞ!」
そろそろ撤退するらしく、カシム君がアリババ君に声をかける。
「おいアリババ ずらかるぞ!」
「ああ、任せろ」
アリババ君は腰の短剣を取り出した。
短剣には見た事がある印のようなものがある。
アリババ君は短剣を構えて言った。
「厳格と礼節の精霊よ、汝と汝の眷属に命ず、我が魔力を糧として、我が意志に大いなる力を与えよ」
――――出でよ アモン――――
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作者名:礼零 x他3人 | 作成日時:2019年1月14日 21時