翡翠姫 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:2,027 hit

プロローグ2 ページ3

お母さん「みんなすっかり大きくなって。月日が経つのは、本当に早いものね」
陸「あの、今日は改まってどうしたの？」
お母さん「ええ。あなた達に、少し話しておきたいことがあるの」
珠洲「話しておきたいこと？」
お母さん「玉依姫と翡翠姫のことよ」
その言葉に少し背筋を伸ばす。
母から僕達に、受け継がれるべき役目と聞かされていた。
お母さん「この世のあらゆるものに宿る魂を、総じてカミという」
お母さん「境内を囲む木々、空を渡る雲、そよぐ風にさえ、カミが宿っているの」
静かにうなずく。これもまた、今まで何度も聞いてきたはなしだった
玉依姫と翡翠姫の系譜は、この村のカミと人を繋ぐお役目として受け継がれてきたわ」
お母さん「いずれ、あなた達もその歴史を担うことになる」
珠洲月乃「「はい」」
真緒「その役目が、わかる？」
珠洲「ひとつは、人の世に迷い出て、暴れてしまうカミをあるべき場所へと送り返すこと」
月乃「もうひとつはこの村に眠る゛龍神゛を封じ続けることだよね」
何度も繰り返し言葉が、自然と口について出る。
お母さん「そうね。その通り」
お母さん「珠洲月乃、今日から本格的に、玉依姫と翡翠姫としての修行をしなさい」
あまりに急な話しで、少しの間声が出なかった。
珠洲「でも、突然どうして・・・・・・」
月乃「そうだよ！どうして？」
お母さん「龍神の封印が、破れる日が近いのです」
月乃「封印の儀は玉依姫と翡翠姫の役割を交代するということですか」
作品途中