話された真実 ページ19
「なんでここにいるの」
Aは目の前の人物を思いきり睨み付けた。
Aは家で夜のニュースをやっていたので見ていると、突然黒音の叔母さんがシケイされると流れたのだ
驚いて、Aは黒音の家にやってきたのだが、まるでAがここに来ることを予想していたように────禄郎島士織は黒音のマンションの入り口の前の壁に寄りかかっていた。
それは、昨日璃里理を殴った憎き相手。
「禄郎島士織……」
「ほぅ、やっと僕の名前を思い出したようだな」
やはり意味不明なことを話すこの男。
「なんでここにいるのって聞いてるの」
少し苛ついた調子で話すA。
「そうだな、僕がここに現れた理由は──お前と交渉しにきたんだ」
交渉だって?と、Aは目付きをより一層鋭くさせた。
「お前はこの本を、知っているだろう?」
スッと、どこから出したか分からない一冊の本を、禄郎島士織は持っていた。
「ッ!アンタそれ!!!!」
思わずAはその本を掴もうと腕を伸ばす。
だが、いとも簡単に避けられ、Aの手は空を切る。
「なんでアンタがそれを持ってるの!?」
「ふむ、ある人物から渡されてな」
「ある人物……?」
「──お前の母親だ」
「なッ」
禄郎島士織の持っている本──表紙には『結界師ルルカ』と少しコミカルな字で書いており、表紙にはルルカらしき女の子が描かれていた。
そしてその本は──私がずっと探していた本。お母さんの、部屋にあった本。
「お母さんが何でテロリストなんかと……」
「お前の母親は、テログループの副リーダーだった。お前の父親はそのリーダー」
「ッ」
「お前は、両親の死は病死と知らされてると思うが本当はそうではない。アンチヴィジョンが二人を殺し、そしてその事実を塗り潰した」
Aは俯いて、ふるふると首を降る。
信じたくなかった。両親が、テログループのリーダー、副リーダーだったなんて。
──これまで自分の信じていたことが全て嘘だったなんて。
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作者名:中学生なのに暇人 | 作成日時:2014年9月7日 22時