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旧校舎屋上 ページ17

「あーやっぱりここにいたねー」
「ん……そうみたい……って咲夜くっつきすぎ!」

ここは旧校舎屋上。
咲夜とAの目線の先には、黒音と璃里理がいた。
黒音はいつも歌っている歌を歌っており、璃里理は黒音に抱き抱えられている。
その光景をひっそり見つめている二人。

すると咲夜は突然叫ぶ。
「そこの生徒動くなッ!《監理委員会》だ!」
軋む声が、屋上に響き渡る。

「今すぐ歌うのをやめて!おとなしく手をあげろ!」

黒音は咲夜の姿を見てから、溜め息をついた。
「ちょっと咲夜!」
完全に出遅れたAは軽く咲夜を睨み、黒音たちに視線を向ける。

「はぁ、それはなんのマネだよ咲夜」
「……ありゃ?驚かなかったー?あははー失敗失敗」

咲夜とAは、教室に戻るとまず黒音がいないことに疑問を抱いた。
そして璃里理がいるクラスに行くと、璃里理もいない。
そこで咲夜が近くにいた女子生徒に声をかけて話を聞くと、「ああ、あの子ね、絵を書いていたので少し手荒な行動になりましたがやめさせました(笑)」と言われ、地面が濡れていたのを見て、二人は全てを察したのだった。

「しっかし、こりずに歌ってんだもんねーまたその歌。驚かせたくもなるって。はいこれ」
パサッと、黒音の目の前に二つの学生鞄を置く咲夜。

「これ……」
「クロネッチと、リリリンのー。鞄ないと帰るに帰れないでしょ、ふたりともさ」
「お前……」
「あ、あと璃里理の着替えになるかわからないけど、私の体操服入れておいたから、濡れた制服よりはましでしょ」
「Aちゃん!」
「A!」

ぱさぁと、璃里理は立ち上がる。
璃里理の服装は黒音の上着一枚だった。

「いやいや、礼には及」
ばないよ、と咲夜は言い切ることが叶わなかった。

「平然と見てんじゃねーよこの変態がぁ!」
忘れてはいけない事実だが咲夜は男、黒音は女。
見てはいけないものがある。

「じゃー、授業始まるから行こー、A」
咲夜がAの手を引いて、屋上の入り口方面へ歩く。

「……A?咲夜お前、前までササリンって」
いつの間に呼び方が変わったのだろうか、と黒音は疑問になり聞いた。

「まあ僕たちにも色々あったんだよ」
ねー、A?と咲夜ががAに聞くと、Aは少し恥ずかしそうに頷いた。

「じゃあね恋失!璃里理!気を付けて!」
「ばいばーいクロネッチ、リリリン」

そう言って二人は屋上から去っていった。

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作者名:中学生なのに暇人 | 作成日時:2014年9月7日 22時

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