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泣き虫なリンゴ─貴方目線─ ページ16
「さく……や？」
どうして咲夜は今私を抱き締めているのだろう。
なぜ今──私の名前を呼んだのだろう。
「A、好きだよ」
背中に回された手の力が、少し強くなった気がした。
「ほんとに……？私のこと、嫌いにならない？」
「当たり前じゃん、こんなにAの事好きなのに」
えへへ、と少し照れたように笑う咲夜。
視界が歪み、頬に何かが伝う。
「さくやぁ……」
涙でぐしゃぐしゃの顔のまま咲夜を呼ぶと、咲夜は私にパーカーのフードをかぶさせる。
「これでAの顔、他の人には見えないね」
そう言って、咲夜は私が泣き止むまで頭を撫でてくれた。
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作者名：中学生なのに暇人 | 作成日時：2014年9月7日 22時
